TDKは、瞬低(瞬停)などの入力電圧異常が発生しても、電源の出力電圧を数百ミリ秒保持し続けるためのモジュールを発売した ニュースリリース 。出力保持時間延長モジュールと呼ぶ製品で、同社がこの製品を市場投入するのは今回が初めてである。ロボットやFA機器、半導体製造装置、ビルオートメーション装置、通信装置などに搭載した、スイッチング電源(AC-DCコンバーター)や絶縁型/非絶縁型DC-DCコンバーターなどに接続して使う。
入力電圧異常の対策では、無停電電源装置(UPS)を採用する方法がよく知られている。UPSと今回発売した出力保持時間延長モジュールとの違いを同社は次のように説明する。「出力容量が同程度であれば、体積はUPSの方が約6倍と大きく、重量は約10倍と重い。さらに出力保持時間はUPSの方が数分間と長く、オーバースペックになる場合もある。また、一般に出力保持時間延長モジュールの方が安価である。出力保持時間延長モジュールとUPSは、狙う市場が異なる」(同社)。
出力保持時間延長モジュールには、Al電解コンデンサーが複数個搭載されており、これに充電したエネルギーを使って入力電圧異常時の電力供給をまかなう。「新製品を使えば、さまざまな装置に瞬低補償機能を簡単に付加できる。入力電圧異常の発生時に出力電圧を数百msだけでも保持できれば、その間に作業データをメモリーに格納したり、装置自体を安全に停止させたりすることができる。また入力電圧異常の期間が短ければ、装置の動作を止める必要がない」(同社)。