ヤマハ発動機は2022年2月10日、21年通期(1~12月)の決算を発表した()。売上高は1兆8125億円、営業利益は1823億円と、いずれも過去最高を更新した。営業利益率は、10.1%だった。

表 ヤマハ発動機は2021年1~12月期決算で売上高と営業利益で過去最高を更新
(出所:ヤマハ発動機)
表 ヤマハ発動機は2021年1~12月期決算で売上高と営業利益で過去最高を更新
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 主要事業とする「ランドモビリティ」(二輪車、中間部品、海外生産用部品、四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウエー・ビークル、スノーモービル、電動アシスト自転車、電動車いす、自動車用エンジン、自動車用コンポーネント)、「マリン」(船外機、ウオータービークル、ボート、プール、漁船・和船)、「ロボティクス」(サーフェスマウンター、半導体製造装置、産業用ロボット、産業用無人ヘリコプター)、「金融サービス」(同社製品に関わる販売金融およびリース)では、全て増収増益。「その他」(ゴルフカー、発電機、汎用エンジン、除雪機)事業のみ増収減益だった。

 半導体などの部品不足に影響を受けたが、各国のロックダウン解除によって全事業で需要が回復。部品の配分を最適化するなどの取り組みで部品不足の影響を最小化し、販売台数や販売単価の増加によって増収につなげた。プレミアムモデルの販売増によるモデルミックス改善などの取り組みが、販売単価の増加に寄与した。

 物流費や原材料費の高騰もあったが、リモートワークなどのデジタル活用による固定費率の抑制、為替影響などを通じてその影響を吸収し、大幅な増益を果たした。

 同社では22年も好調な需要は継続すると見ており、同年の売上高は2兆円、営業利益は1900億円との見通しを発表している。

 同社は併せて、22~24年の次の3年間の中期経営計画も発表した。事業を「新規事業」「成長事業」「コア事業」「構造改革事業」に分類し、それぞれの方向性を明確化した()。

図 ヤマハ発動機は新中期経営計画で事業を4つに分類し方向性を明確化
図 ヤマハ発動機は新中期経営計画で事業を4つに分類し方向性を明確化
(出所:ヤマハ発動機)
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 具体的には、新規事業では、将来のコア事業を生み出すための体制強化と売上高の創出を狙う。成長事業では、次世代のキャッシュの創出源とし、投資を増やし、規模拡大を目指す。コア事業では、現在のキャッシュの創出源として収益性の維持・向上を図る。構造改革事業では、中期経営計画の期間に、規模・収益性の視点から事業の方向性を見極める。

 そして、新規事業の領域として挙げたのが、モビリティーサービス、低速自動走行、医療・健康、農業。モビリティーの新領域では、24年に売上高300億円を目指す。

 成長事業としたのが、ロボティクス事業と小型パーソナルモビリティーを扱うSPV事業。売上高成長率で年率19%を目標に掲げる。

 コア事業は、MC(モーターサイクル)事業、マリン事業、RV(レクリエーショナルビークル)事業、ゴルフカー事業、および金融サービス事業の5つ。金融サービス以外の4事業において、売上高経常利益率(ROS)で11%を目指す。

 構造改革事業として位置づけたのが、発電機・汎用エンジン事業である。

 そして、新規事業と成長事業の2つを戦略事業領域と位置づけ、リソースの投入を拡大する。開発・成長戦略経費として19~21年の1.6倍に当たる1150億円を投入する。設備投資額も同1.8倍の450億円に増やす。