三菱電機は、ブート・ストラップ・ダイオード機能を内蔵したパワー半導体ゲートドライバー(駆動)ICを発売した ニュースリリース 。同社がブート・ストラップ・ダイオード機能を内蔵したパワー半導体ゲートドライバーICを製品化するのは今回が初めて。白物家電や電動アシスト自転車などのモーター駆動用インバーター回路に向ける。「ブート・ストラップ・ダイオード機能を内蔵したことで、インバーター回路を構成する部品点数と高圧配線の実装面積を削減できる」(同社)。
今回の新製品では、同社独自の高耐圧MOSトランジスタを使って、ブート・ストラップ・ダイオード機能を実現した。「競合他社でもMOSトランジスタを使ってブート・ストラップ・ダイオード機能を実現したケースがある。が、寄生バイポーラー構造ができてしまい、スイッチング時のノイズによってラッチアップが発生するという問題を抱えていた。今回の新製品では、当社独自の高耐圧MOSトランジスタ構造を採用することで、寄生バイポーラー構造ができないように工夫した。この結果、ノイズ耐性を高められた」(同社)。
新製品の型番は「M81777FP」である。ハイサイドとローサイドのパワー半導体(パワーMOSFETやIGBT)で構成したハーフブリッジ回路のゲート駆動に適用する。耐圧は+600V。駆動能力は、ソース(吐き出し)時に+0.2A、シンク(吸い込み)時に−0.35Aである。パッケージは、実装面積が3.9mm×4.85mmの8端子SOP。「パッケージの外形寸法と端子配置は、当社従来品との互換性を確保したため、簡単に置き換えられる」(同社)。新製品の主な仕様は下表の通り。
販売は22年4月1日に開始する。サンプル価格は60円(税込み)である。