三菱電機は、エアコンや洗濯機、冷蔵庫などの白物家電に搭載された3相インバーター回路に向けたパワー半導体モジュールを発売した ニュースリリース 。特徴は、同社従来品に比べてモジュールの熱抵抗と放射ノイズの両方を低減したことである。これにより、「3相インバーター回路の設計/開発時に必要な放熱対策とノイズ対策を大幅に簡素化できる」(同社)という。
新製品は、同社のパワー半導体モジュールシリーズ「SLIMDIP」*に含まれる製品で、型番は「SLIMDIP-X」である。IGBTとフリー・ホイール・ダイオード(FWD)を1チップに集積した逆導通IGBT(RC-IGBT:Reverse Conducting IGBT)を6個のほか、上アームの駆動に向けた高耐圧IC(HVIC)や、下アームの駆動に向けた低耐圧IC(LVIC)、ブートストラップダイオードを1つのモジュールに搭載した。モジュールの外形寸法は18.8mm×32.8mm×3.6mmと小さい。これはSLIMDIPシリーズに含まれるほかの製品と同じ外形寸法である。端子互換性を確保した。
* 関連記事 3割小さいパワー半導体モジュール、三菱電機が白物家電向けに熱抵抗は、RC-IGBTチップを搭載するリードフレームと、放熱板の間に挿入する絶縁シートの放熱特性を改善することで低減した。この結果、モジュールの熱抵抗(接合部とケースの間)を同社従来品(SLIMDIP-L)と比べると約35%削減し、定格電流を15Aから20Aに増やした。採用した絶縁シートの技術的な詳細は明らかにしていない。放射ノイズについては、RC-IGBTの素子構造を最適化することで低減した。
新製品の定格電圧は+600V。短絡保護機能や制御電源電圧低下保護機能、過熱保護機能、アナログ温度出力機能などを搭載した。販売は22年2月18日に開始する。サンプル価格は1000円(税込み)である。