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 独Infineon Technologies(インフィニオンテクノロジーズ)は、実装面積が7mm×7mmと小さい42端子QFNパッケージに封止したオーディオD級(クラスD)アンプモジュールを発売した ニュースリリース 。特徴は、オーディオ出力が同程度の同社従来品に比べると実装面積を約50%減らせること、およびヒートシンクを不要にできることにある。このため、オーディオD級アンプ回路の大幅な小型化が可能になる。応用先は、ホームシアター機器や、サウンドバー、サブウーハー、ミニコンポ、アクティブスピーカー、ギターアンプなどである。

実装面積が7mm×7mmと小さいオーディオD級アンプモジュール
実装面積が7mm×7mmと小さいオーディオD級アンプモジュール
(出所:Infineon Technologies)
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 新製品は2チャネル出力のマルチ・チップ・モジュール(MCM:Multi Chip Module)で、2チャネル出力のPWM制御チップと高耐圧ゲート・ドライバー・チップ、4個のパワーMOSFETチップを1つのパッケージに収めている。同社従来品は、これらの機能を1つのチップに集積していた。今回はMCMにしたため、各機能(チップ)の製造に最適なプロセス技術を適用することが可能になり、実装面積の削減が可能になったという。さらに、「パワーMOSFETのオン抵抗を24.4mΩ(標準値)に抑えたことで発熱量が減り、ヒートシンクを省けるようになった」(同社)。

 新製品は同社のオーディオD級アンプファミリー「MERUS」に含まれ、型番は「MA5332MS」である。1チャネル当たりのオーディオ出力は100〜400W。オーディオ入力はシングルエンド形式、もしくは差動形式のアナログ信号。オーディオ出力段は、2つのシングルエンド(SE)形式と、BTL(Bridge Tied Load)形式、パラレル・シングル・エンド(PSE)形式のいずれかを選べる。残留ノイズは250μVRMS。全高調波ひずみ+ノイズ(THD+N)は0.01%(1kHz、70W出力時の標準値)。スイッチング周波数は500kHz(最大値)。変換効率は、2チャネル×100W出力(4Ω負荷接続時)の場合に95%(標準値)が得られるという。ヒートシンクは、2チャネル×100W出力(4Ω負荷接続時)の場合は不要。ただし、2チャネル×200W出力(4Ω負荷接続時)の場合は、熱抵抗が8℃/Wの小型ヒートシンクが必要になる。

新製品の全高調波ひずみ+ノイズ(THD+N)特性
新製品の全高調波ひずみ+ノイズ(THD+N)特性
(出所:Infineon Technologies)
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 電源電圧は±25V、もしくは+50V。過電流保護機能や過熱保護機能、低電圧保護機能などを搭載した。動作接合部温度範囲は−40〜+100℃。すでに販売を始めている。価格は明らかにしていない。