PR

 ロシアのウクライナ侵攻が国内IT大手に影響を及ぼし始めている。日立製作所が2021年7月に買収した米GlobalLogic(グローバルロジック)はウクライナに大規模なエンジニアリング拠点を設けている。日立はグローバルロジック買収に約1兆円の巨費を投じただけに、影響が懸念される。

日立が買収した米グローバルロジックはウクライナに5カ所のエンジニアリング拠点を設けている
日立が買収した米グローバルロジックはウクライナに5カ所のエンジニアリング拠点を設けている
(出所:米グローバルロジック)
[画像のクリックで拡大表示]

 グローバルロジックは首都キエフなどウクライナに5カ所のエンジニアリング拠点を設けており、約7200人の従業員が勤務している。日本人はいない。日立はロシアのウクライナ侵攻を受けて「ウクライナの従業員とその家族の安全は最優先事項であり、必要なアクションを取っている」(広報)とコメントした。

 グローバルロジックは従業員をウクライナ国内外の別拠点に移動させるための準備を進めるなど事業継続に必要な仕組みを整備しているという。日立の河村芳彦執行役専務CFO(最高財務責任者)は2022年2月2日に開いた2021年4~12月期の連結決算を説明する記者会見で、ウクライナ情勢に関して「大変憂慮している」と語っていた。