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 ロシアのウクライナ侵攻が国内IT大手の事業にも影響を与え始めている。特に2021年7月に買収した米子会社がウクライナに大規模なエンジニアリング拠点を持つ日立製作所の影響が大きく、事態が長期化した場合のインパクトは読み切れない部分がある。

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 日立が約1兆円を投じて買収した米GlobalLogic(グローバルロジック)は、首都キエフや北東部の中心都市であるハリコフなどに5カ所のエンジニアリング拠点を持つ。グローバルロジックの全従業員の3割程度に相当する約7200人が勤務し、日本人はいないという。

 ウクライナ情勢の緊迫化を受けて「ウクライナの従業員とその家族の安全は最優先事項であり、必要なアクションを取っている」(日立広報)。現地の従業員をウクライナ国内外の別拠点に移動させるための準備などを進めている。

 ITを軸にした成長戦略を掲げる日立は、グローバルロジックを成長のけん引役と位置付けている。IoT(インターネット・オブ・シングズ)関連の「Lumada」をグローバル展開するためにウクライナのソフトウエア人材は重要な存在で、事態が長期化すれば、日立の成長戦略にも影響を与えかねない。

 富士通はロシアとポーランドにオフショア開発を手掛ける「グローバル・デリバリー・センター(GDC)」を持つが、現時点で通常通り業務を継続している。ただし、緊迫するウクライナ情勢を受けて「継続的に事態を注視している」(同社広報)。

 NTTデータはドイツにあるNTTデータビジネスソリューションズ(旧itelligence=アイテリジェンス)がウクライナに拠点を持つ。NECは2013年にロシアの現地法人の子会社として「NECウクライナ社」を設立し、営業活動を始めていた。しかし、数年前に同社の事業を停止していたため、「影響は限定的」(NEC広報)としている。