クボタは自社製品の「不良品」のCG画像を大量に生成するツールを導入した。製品検査で使うAI(人工知能)に教師データとして読み込ませる。様々な不良品の現物を用意することなく、短期間に製品検査用AIの機械学習を済ませられる。
CG生成ツールを開発・提供したシリコンスタジオが2022年2月24日に発表した。同ツールを使うと不良品の3次元CGと背景の2次元CGを組み合わせたうえで、不良品の大きさや角度、照明などを調整できる。どのような調整値で何枚のCGを生成するかを設定ファイルに保存し、不良品の種類ごとに機械学習で必要な一通りの教師データを容易に生成できる。
クボタは事前のPoC(概念実証)により、機械学習の教師データにCG画像を使うことで実際の不良品を的確に見分けられることを確認し、今回の本格導入を決めた。今回導入したCG生成ツールの用途について「鋳造部品の形状、農業機械・建設機械の外装塗装など、広範な用途の製品検査において利用可能とみている」(クボタ広報)という。