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 村田製作所は、最大使用温度が+125℃と高い巻線型コモン・モード・チョーク・コイル(CMCC:Common Mode Choke Coil)を発売した ニュースリリース 。外形寸法は2.0mm×1.2mm×1.2mm。いわゆる「2012サイズ品」である。「2012サイズで、+125℃で使用できる巻線型コモン・モード・チョーク・コイルの製品化は業界初。従来品は+105℃までしか使えなかった。ADAS機器では最大使用温度が+125℃であることが求められており、新製品ならばADAS機器における映像インターフェースのノイズ対策に使える」(同社)。応用先は、電子サイド・ミラー・カメラやスマート・ルーム・ミラー、アラウンド・ビュー・モニター、ヘッド・アップ・ディスプレーなどである。

最大使用温度が+125℃と高い巻線型コモン・モード・チョーク・コイル(CMCC)
最大使用温度が+125℃と高い巻線型コモン・モード・チョーク・コイル(CMCC)
(出所:村田製作所)
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 新製品の特徴はもう1つ挙げられる。データ伝送速度が10Gビット/秒程度と高い映像インターフェースに適用できることである。データ伝送速度が最大10Gビット/秒のUSB 3.1規格や、最大6Gビット/秒のHDMI 2.0規格、最大1.5Gビット/秒のLVDS規格などに準拠した映像インターフェースのノイズ対策に使用できる。

差動伝送ライン向けCMCCの製品一覧
差動伝送ライン向けCMCCの製品一覧
すでに外形寸法が1.25mm×1.0mm×1.0mmと小さい「DLIM115N_HZシリーズ」を製品化しているが、最大使用温度は+105℃だった。ADAS機器向けではなく、車載用インフォテインメント機器向けである。(出所:村田製作所)
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 新製品の名称は「DLW21SH_HQ2シリーズ」。今回は、コモン・モード・インピーダンス(100MHzにおける値)と直流抵抗、定格電流の違いで3製品を用意した。「DLW21SH121HQ2」は、コモン・モード・インピーダンスが120Ω、直流抵抗が0.32Ω、定格電流が280mA。「DLW21SH670HQ2」は、コモン・モード・インピーダンスが67Ω、直流抵抗が0.24Ω、定格電流が320mA。「DLW21SH900HQ2」は、コモン・モード・インピーダンスが90Ω、直流抵抗が0.32Ω、定格電流が280mAである。

 3製品いずれも定格電圧は+20V。使用温度が+105℃を超える場合は、温度ディレーティングが必要になる。すでに販売を始めている。価格は明らかにしていない。