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 トヨタ自動車が2022年3月1日に国内全工場停止を決めるまでの経緯が分かってきた。協力会社の小島プレス工業(愛知県豊田市)によると、同社のサーバーが原因不明でダウンしたことで、トヨタ自動車は連係関係にある国内工場システムへの影響を考慮し、早々に工場の稼働停止を決めたようだ。サーバーダウンの原因がサイバー攻撃である可能性は残っている。

トヨタ自動車の元町工場 
トヨタ自動車の元町工場 
(写真:トヨタ自動車)
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 小島プレスのサーバーがダウンしたのは2月26(土)21時すぎ。「サイバー攻撃が原因とは断定できないが、可能性はある」(同社)。翌27(日)昼にかけて、社内のすべてのサーバーを停止した。28(月)夜23時でも状態は同じで、社内でメールは見れないし、企業WEBサイトもダウンしたままだ。

 小島プレスの社内サーバーの1つがトヨタへの部品納入を担うもの。社内で部品の製造はできるが、サーバーダウンのため納入処理はできない。

 トヨタ自動車からは27(日)までに、情報システムやBCP(事業継続計画)担当者など数名が応援にかけつけており、懸命な復旧活動が続く。小島プレスの情報システム要員は30人を超える程度である。

 トヨタ自動車は、国内全工場停止は3月1日としているが、2月28日夜の段階では、原因究明と対策の策定が見えていない状態にある。