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 米Vishay Intertechnology(ビシェイ・インターテクノロジー)は、+600V耐圧のスーパージャンクション型パワーMOSFETの新製品を発売した ニュースリリース 。特徴は、オン抵抗と全ゲート電荷量の積で求める性能指数(FOM:Figure Of Merit)が2.8Ω×nCと、業界で最も小さいことである。「市場にあるFOMが最も小さい競合他社品と比べて、新製品のFOMは約3.4%小さい」(同社)。

性能指数(FOM)が業界最小の+600V耐圧パワーMOSFET
性能指数(FOM)が業界最小の+600V耐圧パワーMOSFET
(出所:Vishay Intertechnology)
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 ハードスイッチング方式のスイッチング電源(AC-DCコンバーター)や力率改善(PFC:Power Factor Correction)回路などに向ける。「こうした用途に適用すれば、導通損失とスイッチング損失の両方を削減でき、変換効率を高められる」(同社)。具体的な応用先は、通信機器用電源や、サーバー用電源、照明器具、溶接機、誘導加熱装置、モーター駆動機器、バッテリー充電器、太陽発電用インバーター装置などである。

 新製品は、同社のパワーMOSFETファミリー「600V Eシリーズ」に含まれ、第4世代品に当たる。型番は「SiHK045N60E」で、nチャネル品である。最大ドレイン電流は48A。オン抵抗は、43mΩ(ゲート-ソース間電圧が+10Vのときの標準値)と低く、同社従来品(第3世代品)に比べて約27%削減した。全ゲート電荷量は、同社従来品比で約60%減の65nC(標準値)である。出力容量は117pF(標準値)と少ない。パッケージは、実装面積が11.68mm×9.90mmのPowerPAK 10×12。動作接合部温度範囲は−55〜+150℃。接合部とケースの間の熱抵抗(RthJC)は0.45℃/Wで、「競合他社品に比べると11.8%低い」(同社)。

 すでにサンプル出荷と量産出荷を始めている。価格は明らかにしていない。