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3つの要因を考慮して変形を予測

 近年、自動車や電気機器などに使用される樹脂成形品は、形状が複雑なのにもかかわらず寸法や形状に高い安定性が求められるようになっている。しかし、樹脂の射出成形は、部材の厚みや形状、成形時の温度や圧力、射出後の温度変化などさまざまな要因や条件によって変形やショートショットといった不良が発生する。

 大きな不良の1つが「反り」だ。反りは、コーナーやエッジの形、板厚差などの「形状」に起因にするものと、樹脂の温度や圧力、冷却条件などの「成形」に起因にするものに大別できる。特に設計段階で決まる形状起因の反りは、金型設計や成形条件で抑制するのが難しく、後から設計を修正するとなると大きな手戻りとなる。その形状による反りには主に3つの要因がある。

樹脂部品で反り変形が生じる主な要因
樹脂部品で反り変形が生じる主な要因
(出所:東レエンジニアリングDソリューションズ)
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 端部が「L」字形の場合に、面内(平面)方向に対して肉厚方向が収縮しやすいためにL字形部が倒れ込む「コーナー倒れ要因」、平たい板の両側に段差があるような場合、早く冷えて収縮が小さい端部が突っ張って凸状に変形する「エッジ突っ張り要因」、肉厚のばらつきによる収縮むらから生じる「偏肉収縮要因」、である。PD Advisor 3.0はこの3つの要因を考慮して変形を予測する。

改善策の提案と修正を一気通貫で

 東レエンジニアリングDソリューションズは、設計段階において樹脂部材の厚みや形状に起因するそりなどの変形を予測する「PD Advisor」を20年に発売。その他、成形不良を予測する樹脂流動解析ソフト「TIMON」を1981年から開発しており、3Dモデルに対応した「3D TIMON」を96年に発売している。

 3D TIMONはPD Advisorに比べて精度が高く、反り以外のさまざまな不良を予測できるものの、3D-CADと併用して設計者が手軽に使うにはハードルが高かった。そこで、設計者が製品開発段階で簡単に反りの発生を予測し、改善のアイデアを得るためのツールとして開発したのがPD Advisorだ。ただし、従来のPD Advisorは反りは予測できても、改善案の提案やPD Advisor上での形状修正まではできなかった。新版のPD Advisor 3.0では、解析から改善案の提案、修正まで一気通貫でできる。

 同社はPD Advisor 3.0の特徴を生かして、今後、自動車や電子機器用の樹脂部材メーカーに向けて販売を拡大したい考えだ。