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 欧州に今後10年間で総額800億ユーロ(約10兆7000億円、1ユーロ=約134円)を投資すると2021年9月に宣言した米Intel(インテル)*1。その第1弾分である335億ユーロ(約4兆5000億円)の投資先について、同社は22年3月15日(米国時間)に発表した ニュースリリース 。335億ユーロのうちほぼ半分の170億ユーロ(約2兆2800億円)が、ドイツの2工場新設に向けられる。

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欧州におけるIntelの施策例
欧州におけるIntelの施策例
(出所:Intel)
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 ドイツの2つの新工場は半導体製造の前工程(拡散工程)を担い、どちらもザクセン・アンハルト州の州都であるマグデブルクに建設する。欧州委員会(European Commission)の承認が得られ次第、23年上期に2つの工場を着工し、27年に量産を開始する予定。量産は同社のオングストローム製造プロセス(Intel 20Aや18A)で開始する予定である。建設期間中には7000人の雇用を、完成後には常時3000人のハイテク人材雇用を生み出すという。さらに、サプライヤーとパートナー全体を含めると数万人の追加雇用を創出すると見込んでいる。2つの工場が出来上がることで、半導体製造の新たなハブ(中心)となり、「シリコンジャンクション」と称されるだろうという。

ドイツ マグデブルクに建設される工場のイメージ
ドイツ マグデブルクに建設される工場のイメージ
(出所:Intel)
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 アイルランドでは、リースクリップの新工場(Fab 34)へ120億ユーロ(約1兆6000億円)を追加投資し、製造スペースを2倍にする。Fab 34では「Intel 4」プロセスで半導体を造る。追加投資の120億ユーロを合わせると、Intelのアイルランドへの投資総額は300億ユーロ(約4兆円)になるという。

アイルランド リースクリップで建設中の新工場(Fab 34)
アイルランド リースクリップで建設中の新工場(Fab 34)
(出所:Intel)
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 イタリアでは、後工程(組み立て工程)工場の設立に関して、イタリア政府と交渉を開始した。この工場にIntelは最大45億ユーロ(約6000億円)を投資予定である。同工場が稼働すると、同社だけで1500人、加えてサプライヤーやパートナー企業全体で3500人の雇用を創出するという。この後工程工場は、25~27年の間に操業を開始する予定である。なお、IntelはイスラエルTower Semiconductor(タワーセミコンダクター)の買収によって、Towerと伊仏合弁STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)がイタリアで共有している前工程工場のTower分を引き継ぐ予定であり*2、イタリアで前工程と後工程の双方の工場を持つことになりそうだ。

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 Intelはこうした工場/製造の欧州強化策に加えて、欧州における研究開発面や設計面での強化策も発表した。例えば、フランスのプラトー・ド・サクレー周辺に、新しい研究開発の拠点を建設する。この新拠点はヨーロッパにおける研究開発のハブとなる予定で、24年末までに450人、最終的には1000人の新規雇用を創出するという。加えて同社はフランスに、ファウンドリー事業(Intel Foundry Services:IFS)の欧州における中核のデザインセンターを設立することも明らかにした。

 また、ポーランドのグタニスクにある研究所にも投資する。研究所の面積を23年中に50%増やす。これによって、人工知能(AI)やオーディオ、グラフィックス、データセンター、クラウドコンピューティング向けのソリューションの開発に力を入れる。このほか、欧州各地の研究機関や大学との関係を強化することもアピールした。