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 米Texas Instruments(TI)は、放射電磁ノイズ(EMI)や出力電圧ノイズを低減した3つの電源ICを同時に発売した ニュースリリース 。3つの電源ICのうち2つは、EMIの放射強度を抑えた降圧型DC-DCコンバーターIC。残る1つは、出力電圧ノイズを競合他社品に比べて約42%低減したLDOレギュレーターICである。

 発売した2つの降圧型DC-DCコンバーターICは、どちらも、最も厳しいEMI規格「CISPR 25 クラス5」をクリアできる。応用先は、車載機器や産業機器、医療機器、テスト/計測器などである。入力バイパスコンデンサーとブートコンデンサーをパッケージに内蔵することでEMIの放射強度を抑えた。入力バイパスコンデンサーの静電容量は44nF(22nF×2個)。ブートコンデンサーは0.1μFである。「入力バイパスコンデンサーとブートコンデンサーを内蔵した降圧型DC-DCコンバーターICの製品化は業界初」(同社)。内蔵したコンデンサーの温度特性はいずれもX8R特性であり、+150℃での動作が可能である。

発売した降圧型DC-DCコンバーターICの応用回路例
発売した降圧型DC-DCコンバーターICの応用回路例
発売した降圧型DC-DCコンバーターICには、入力バイパスコンデンサーとブートコンデンサーを内蔵した。コンデンサーとICチップとの距離が短くなり、高周波電流が流れるループの面積を小さくできるため、EMIの放射強度を抑えられる。なお入力部には、直流成分の蓄積に向けて、静電容量が4.7μFと大きいバルク入力コンデンサーを外付けする必要がある。(出所:Texas Instruments)
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 2つの降圧型DC-DCコンバーターICの型番は「LMQ66430」と「LMQ66430-Q1」。LMQ66430とLMQ66430-Q1の違いは、車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100」への準拠にある。LMQ66430は準拠していないが、LMQ66430-Q1は準拠する。入力電圧範囲はどちらも+3〜36V。出力電圧は+1〜35Vの範囲でユーザーが設定できる。最大出力電流は3A。スイッチング周波数の設定範囲は200k〜2.2MHz。静止電流は1.5μAと少ない。パッケージは、実装面積が2.6mm×2.6mmの15端子WQFN。外付け部品を含めた降圧型DC-DCコンバーター回路全体の基板上の実装面積は16.5mm×13.5mmに収まる。動作接合部温度範囲は−40〜+150℃。1000個購入時の参考単価はLMQ66430が0.91米ドル、LMQ66430-Q1が1.10米ドルである。

出力電圧ノイズは0.46μVRMSと低い

 発売したLDOレギュレーターICは、無線通信基地局向けリモート無線ユニット(RRU)や無線通信バックホール装置、医療用超音波スキャナー装置などに向ける。型番は「TPS7A94」である。出力電圧ノイズは0.46μVRMSと低い。「業界で最も低い出力電圧ノイズを達成した」(同社)。入力電圧範囲は+1.7〜5.7V。出力電圧は、+0.4〜5.5Vの範囲でユーザーが設定できる。最大出力電流は1A。ドロップアウト電圧は200mA(1A出力時の最大値)。電源電圧変動除去比(PSRR)は、10kHzにおいて90dB、1MHzにおいて60dBとどちらも高い。パッケージは、実装面積が3.0mm×3.0mmの10端子WSON。動作接合部温度範囲は−40〜+150℃。1000個購入時の参考単価は2.90米ドルである。

発売したLDOレギュレーターICの出力電圧ノイズ特性
発売したLDOレギュレーターICの出力電圧ノイズ特性
出力電圧ノイズは0.46μVRMS、出力電圧ノイズ密度は1.3nV/√Hzとどちらも低い。(出所:Texas Instruments)
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 なお、今回発売した3つの電源ICは、いずれも22年3月20日〜24日に米国テキサス州ヒューストンで開催された電源関連の国際会議/展示会「APEC(Applied power Electronics Conference) 2022」で製品化を発表した。