PR

 TDKは、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)での利用を想定した、積層セラミックコンデンサー(MLCC:Multilayer Ceramic Capacitors)を発売した ニュースリリース 。セラミック材料としてPLZT(チタン酸ジルコン酸ランタン鉛)を使うMLCCで、同じ材料を使うMLSC(Multi-Layer Series Capacitor)構造の同社の既存セラミックコンデンサー(以下、従来品)よりも小型化を図った。従来品の外形寸法は7.85mm×7.14mm×4mmだったが、新製品は5.7mm×5.0mm×1.4mm(5750サイズ)になった。ただし静電容量は同社従来品の1μFの4分の1の0.25μFと少なくなった。

 新製品は、EVやHEV、鉄道車両用トラクションインバーター、産業機器の電源回路に向ける。こうした電源回路に、高いスイッチング周波数のSiCパワーMOSFETやGaN FETと共に搭載されるスナバー用コンデンサーや出力コンデンサーとして使う。従来品より小型化したことで、SiCパワーMOSFETやGaN FETのごく近くに実装可能になり、配線の寄生インダクタンスを低減できる。これによって、高周波領域におけるインピーダンスを抑えられるため、スイッチング波形のオーバーシュートやリンギングを効率的に取り除けるようになったという。

EVやPHEVの電源に向けたPLZT材料を採用した積層セラミックコンデンサー(MLCC)
EVやPHEVの電源に向けたPLZT材料を採用した積層セラミックコンデンサー(MLCC)
外形寸法は5.7mm×5.0mm×1.4mm。いわゆる5750サイズ品である。(出所:TDK)
[画像のクリックで拡大表示]

 新製品は、2014年11月に発売されたPZLTを使うセラミック・コンデンサー・ファミリー「CeraLink」の1つである。チタン酸バリウムを使う一般的なセラミックコンデンサーと比べると、耐熱性や高周波特性が高く、等価直列インダクタンス(ESL)が低いという特徴がある。同社によると、「現在もなお、競合他社はPLZTを採用したセラミックコンデンサーを製品化していない」(同社)という。

 既存のCeraLink製品の中で、これまで最も外形寸法が小さかった製品では、7.85mm×6.84mm×2.65mmのコンデンサー本体(基本素子)にJ字型リードフレーム端子を取り付けており、端子込みの寸法は7.85mm×7.14mm×4mmである。今回は、基本素子を小さくし、コンデンサー本体に端子を直接作り込むチップタイプにしたことで、5.7mm×5.0mm×1.4mm(5750サイズ)に小型化できた。

新製品の主な仕様
新製品の主な仕様
新製品の主な仕様を、同社従来品と比較した。比較対象は、L字型リードフレーム端子品とJ字型リードフレーム品である。新製品の容量密度は、J字型リードフレーム品に比べると約1.4倍、L字型リードフレーム端子品と比べると約2.2倍と大きい。(出所:TDK)
[画像のクリックで拡大表示]

 新製品のシリーズ名は「CeraLink EIA 2220 500V」。定格電圧は+500V。静電容量は、250nF(+400V印加時の値)。ESLは3nH。約1MHzと高い周波数成分に対してもコンデンサーとして機能する。使用温度範囲は−40〜+150℃である。端子構造は2種類を用意した。1つは標準メッキタイプ。Cuキャップ層の上にNi/Snメッキを施したもの。もう1つは樹脂電極タイプである。Cuキャップ層とNi/Snメッキの間に、機械的な応力を緩和する導電性樹脂層をはさんだ。車載用受動部品の品質規格「AEC-Q200」に準拠する。新製品はすでに販売を始めている。価格は明らかにしていない。

新製品の端子構造
新製品の端子構造
標準メッキタイプと樹脂電極タイプを用意した。(出所:TDK)
[画像のクリックで拡大表示]

 今後も同社は、CeraLink製品の品ぞろえを広げる。まずは、今回の新製品であるCeraLink EIA 2220 500Vシリーズにおいて、静電容量が360nFと大きい製品のサンプル出荷を22年度中に始める。さらに、3225サイズ(3.2mm×2.5mm)と今回の新製品よりも小型化した「CeraLink EIA 1210 500Vシリーズ」を発売する。このシリーズの定格電圧は+500Vで、静電容量が100n〜120nF品のサンプル出荷を22年度中に開始する予定である。このほか、定格電圧を+900Vに高めた5750サイズ品の市場投入を検討中という。

■変更履歴
公開当初、新製品の静電容量を250μFと記載しておりましたが、正しくは0.25μFです。おわびして訂正します。本文は修正済みです。[2022/04/06 15:10]