日本ケーブルテレビ連盟は2022年4月1日、「AJC-CMS」(全国コンテンツ流通システム)において「AI文字起こし」や「多言語化」を基本機能として機能拡張し、同日に運用を開始したと発表した。
AJC-CMSは、各地のケーブルテレビで制作される地域コンテンツの全国流通などを促すことを目的に、連盟独自のシステムとして 2012年に開発された。アップロード/ダウンロードやプレビューといった機能を備える。2019年に4K映像などさらに大容量のデータを高速で配信できるように機能強化してきた。現在は、ケーブルテレビ局304社、番組供給事業者25社など333社が利用している。
今回の機能拡張は、ケーブルテレビ事業者で構成される地域・コンテンツビジネス推進委員会で検討してきた。拡張した機能では、例えば動画ファイルをAJC-CMSにアップロードすることによりAI文字起こしを行う。動画プレビューを閲覧しながら、字幕を修正・編集できる。文字起こしが完了した言葉は、32カ国語に変換できる。
この機能により、「字幕ファイル」や「字幕付きWeb用動画」が生成される。前者は、字幕スーパー作成や、字幕放送を実施するための素材として活用できる。後者により、インターネットでの配信が可能となり、「海外も視野に幅広く情報発信していくことが期待される」とする。
日本ケーブルテレビ連盟は、「2030ケーブルビジョン」を掲げており、ケーブルテレビ事業者が制作する番組や地方行政から委託された映像の情報アクセシビリティーを向上させたり、高齢者や障がい者に寄り添ったり、在日外国人や海外への情報発信を行ったりするといったことを業界全体で推進するものと位置付ける。