日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が2022年4月6日に発表した同年3月の車名別新車販売台数(速報値、以下同じ)によると、登録車と軽自動車を合わせた総合順位で、ホンダの軽自動車「N-BOX」が3カ月連続の首位となった。
車載半導体を含む部品不足の影響が続く中で、N-BOXの3月の販売台数は2万5529台となり、2月に比べて5500台以上増えた。EPB(電動駐車ブレーキ)と全車速対応ACC(先行車追従)を搭載して21年12月に発売した部分改良車などが、引き続き販売増加に寄与した(図1)。
総合順位の2位から4位は、トヨタ自動車の車種が占めた。2位は小型車「ヤリス」シリーズ、3位は中型車「カローラ」シリーズ、4位は小型ミニバン「ルーミー」である。2月の総合順位で4位だったヤリスシリーズは、3月は2位に順位を上げた。一方、2月に10位以下(登録車だけの順位で7位)だった小型ハイブリッド車(HEV)「アクア」は、3月も10位以下(登録車だけの順位で9位)である。
トヨタは部品不足の影響で3月も、国内工場で断続的な減産を行った。調達した部品を販売の増加が期待できる車種に振り向けるといった対策をとったため、車種によって明暗が分かれた。
軽自動車でも、部品不足による生産調整の影響が続いている。総合順位で10位以内に入った4車種はすべて、前年同月比で販売台数を減らした。特に9位のスズキの「スペーシア」と10位のダイハツ工業の「タント」の落ち込みが大きい。
こうした状況の中で、日産自動車の「ルークス」は健闘した(図2)。2月の総合順位は10位だったが、3月は6位に順位を上げた。3月の販売台数は1万3245台であり、前月比では約1.9倍の増加となった。エアバッグの不具合で停止していた生産と販売を22年2月11日に再開し、巻き返しに成功した。
なお、22年3月の新車販売上位10車種は以下の通りである(カッコ内は前年同月比の増減率、※は軽自動車)。
2022年3月 | メーカー名 | 車種名 | 販売台数 |
---|---|---|---|
1位 | ホンダ | N-BOX | 2万5529台(-6.0%)※ |
2位 | トヨタ | ヤリス | 1万7442台(-38.7%) |
3位 | トヨタ | カローラ | 1万7258台(+36.2%) |
4位 | トヨタ | ルーミー | 1万6976台(+2.9%) |
5位 | 日産 | ノート | 1万5312台(+14.7%) |
6位 | 日産 | ルークス | 1万3245台(-3.9%)※ |
7位 | ホンダ | フリード | 1万2649台(+29.5%) |
8位 | トヨタ | ライズ | 1万1612台(-5.4%) |
9位 | スズキ | スペーシア | 1万148台(-48.2%)※ |
10位 | ダイハツ | タント | 1万12台(-41.3%)※ |