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 西日本旅客鉄道(JR西日本)は、新幹線への自動運転技術の導入に向けた取り組みを公表した。開発中の自動運転機能を検証するために、2022年度から実証実験を実施。北陸新幹線の白山総合車両所(石川県白山市)の敷地内で新幹線車両を走行させて、機能の評価と課題の抽出を進める。

* JR西日本のニュースリリース: https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220418_01_jidou.pdf

 実証実験では、運転士が乗務した「W7系」車両1編成(12両)を自動運転で走らせる(図1)。決められた運転条件に基づいて加速・減速・一時停止などを実行した後、定められた位置に停止させる。これにより、車両の速度制御や定位置停止機能を確認する。

図1 新幹線の自動運転イメージ
図1 新幹線の自動運転イメージ
(出所:JR西日本)
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 同社は、18年3月に公表した「技術で切り拓く交通の進化 ~JR西日本 技術ビジョン~」において、[1]さらなる安全と安定輸送の追求、[2]魅力的なエリア創出の一翼を担う鉄道・交通サービスの提供、[3]持続可能な鉄道・交通システムの構築の「3つのありたい姿」を掲げて、それぞれの実現に向けた取り組みを進めている。このうち[1]では、おおむね20年後の姿の1つとして「人と技術の最適な融合」を挙げ、無線式自動列車制御装置(ATC)などの保安システムの進化と、自動運転技術などによる安全性と輸送品質の向上を推進しようとしている(図2)。

図2 JR西日本が描く「安全と安定輸送の追求」の将来像
図2 JR西日本が描く「安全と安定輸送の追求」の将来像
(出所:JR西日本)
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 自動運転機能の要素技術としては現在、新幹線車両を自動で加速/減速させて定められた位置に停止させる制御装置や、車両に発生した異常を自動で検知して安全に停止させるためのシステムを検討。今回の実証実験は、こうした技術開発の一環で実施する。

 新幹線への自動運転の導入によって、新しい技術と人が協調し、人は「その強みを発揮できる仕事に集中」(同社)できるとの期待がある。その結果、安全性と輸送品質を高められるという。さらに今後の人口の減少を見据えて、積極的に新技術を活用して生産性を高め、上記[3]の持続可能な鉄道・交通システムの構築を目指すとしている。