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 トヨタ自動車の米国先進安全技術研究センター(CSRC)は2022年4月27日、今後5年間で3000万ドルを投じる新たな9つの研究プロジェクトを発表した。以下はその概要。

1. ドライバーの知識に合わせた安全技術のトレーニング(マサチューセッツ州立大学アムハースト校との共同研究)

 最新の安全技術を正しく理解していないドライバーに、安全技術の適切な利用法をいかに伝えるかを研究する。長期的な観察と運転シミュレーターによる研究を組み合わせ、安全技術について誤解しているユーザーを再教育するためのアプローチを探る。

(写真:トヨタ自動車)
(写真:トヨタ自動車)
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2. 初心者ドライバーの運転技術を向上させる危険予知トレーニング(マサチューセッツ州立大学アムハースト校との共同研究)

 初心者ドライバーが通常の運転シーンで危険をより察知しやすくするために、双方向ツールは役立つかどうかを研究する。危険物の検出能力や認識能力を改善したソフトウエアを開発し、初心者の運転能力への影響を調査する。

3. 幼児の車内熱中症リスクに対する保護者の意識改善と解決策(フィラデルフィア小児病院との共同研究)

 保護者が幼児の熱中症予防策を忘れてしまう理由は何か。科学的調査とグループインタビューを実施し、保護者が認識しているリスク要因と被害軽減策を分析する。

4. 自動運転車と脆弱な道路利用者との衝突について、現実とシミュレーションにおける特異ケースのライブラリー構築(ミシガン大学交通研究所との共同研究)

 脆弱な道路利用者の安全性に関して、自動運転開発者と利害関係者がどのように経験を共有するかについて複数の運転データベースを使って研究する。

5. 非運転時行動特性の進化(マサチューセッツ工科大学との共同研究)

 レベル2の運転支援システムを使用しているときに、ドライバーは運転以外のどんな行動をするのか、ドライバー監視システムとレベル2運転支援システムを搭載した車両を使って研究する。

6. ユーザー教育ニーズの素早い対応と無線アップデート(アイオワ大学との共同研究)

 安全技術の操作手順を変更した場合、ユーザーをどのように再教育すべきか。安全機能の操作の変更が運転能力にどのような影響を与えるかを調べ、新しい操作を正確に理解させるための教育方法を検討する。

7. 交差点での衝突事故におけるドライバーの回避行動(バージニア工科大学交通研究所との共同研究)

 交差点での衝突事故を回避する運転支援技術の研究。交差点における衝突、ヒヤリハットなどのシナリオを含む交差点運転データを分析し、交差点支援システムのためのドライバーモデルを開発する。

8. 自転車やeスクーターなどの交通弱者の行動予測(パデュー大学インディアナポリス校との共同研究)

 安全性を向上するため、自転車やマイクロモビリティー利用者との相互作用をどのように強化するか。米国の複数の都市で運転データを収集、分析し、自動車と自転車、eスクーター間の相互作用モデルを作成し、ストレスのない運転支援を開発する。

9. 衝突による傷害の評価における体格・体形差への考慮(ミシガン大学交通研究所との共同研究)

 異なる体格・体形における傷害(特に胸部)の違いに影響を与えるパラメータは何か。ダミー人形「THUMS」を用いて男性と女性の体格の違いや体形の多様性に応じた衝突保護の強化方法について調査する。

 CSRCはこのほかにも追加のプロジェクトを検討しており、新たな視点や異なる調査方法を提供できるパートナーシップを模索していくという。なおトヨタ自動車は、2017~21年に実施した前回の調査の要約「CSRC NEXT」(PDF)を公開した。前回の調査には3500万ドルを投資し、今後10年間の自動運転とコネクティッドカー技術の課題について研究したという。