米Microchip Technology（マイクロチップ・テクノロジー）は、8ビットマイコン（MCU）の「AVR」と「PIC」に合計で5ファミリーの新製品を加えたと、2022年4月28日（現地時間）に発表した ニュースリリース 。5ファミリーを合わせると、今回追加されたMCUは60製品以上になる。
新たな5つのファミリー、「AVR DDファミリー」、「PIC16F18076ファミリー」、「PIC16F17146ファミリー」、「PIC18 Q71ファミリー」、「PIC16F18146ファミリー」の概要は以下の通りである（図1）。現在5ファミリーいずれもサンプルおよび量産出荷中。価格は発表されていない。
AVR DDファミリーは複数電圧アナログ回路のサポートが必要なアプリケーションに向けたMCU。最大24MHz動作のAVRコアと、最大64Kバイトのフラッシュメモリー、最大8KバイトのSRAM、256バイトのEEPROMと、マルチボルテージI／O（MVIO）チャネル、CCL（Configurable Custom Logic）、12ビット差動式A-D変換器、ZCD（Zero Cross Detect）、10ビットD-A変換器などを集積する（図2）。IEC 60730 Class B及びISO 26262などの機能安全規格に対応できるという。パッケージは28ピンのSPDIP／SSOP／SOIC／VQFNと、32ピンVQFN／TQFPなどを用意する。
PIC16F18076ファミリーは低価格要求の強いセンサーやリアルタイム制御に向けたMCU。最大32MHz動作のPIC16コア、最大28Kバイトのフラッシュメモリー、最大2KバイトのSRAM、最大256バイトのEEPROM、演算機能付きの10ビットA-D変換器、8ビットD-A変換器、静電容量式タッチセンサー向けCVD（Capacitive Voltage Divider）、チャージポンプ、10ビットPWMモジュール、ZCDなどを集積する（図3）。パッケージは8／14／16／20／28／40／44ピンDIP／LQFPを用意する。
PIC16F17146ファミリーは、アナログセンシングに向けたMCU。最大32MHz動作のPIC16コアと、最大28Kバイトのフラッシュメモリー、最大2KバイトのSRAM、最大256バイトのEEPROM、最大17チャネル入力の演算機能付き12ビット差動式A-D変換器、コンパレーター、8ビットタイマー、ZCDなどを集積する（図4）。パッケージは20ピンのDIP／SOIC／SSOP／VQFPなどを用意している。
PIC18 Q71ファミリーはセンサー接続用MCU。最大64MHz動作のPIC18コアと、最大64Kバイトのフラッシュメモリー、最大4KバイトのSRAM、256バイトのEEPROM、増幅帯域が5.5MHzのオペアンプ（2個）、最大43チャネル入力で変換速度が最大300Kサンプリング／秒の演算機能付き12ビット差動式A-D変換器、10ビットD-A変換器、8ビットD-A変換器、コンパレーター、CLC（Configurable Logic Cell）などを集積する。パッケージは28ピンのSPDIP／SOIC／SSOP／VQFN、40ピンのPDIP／VQFN、44ピンのTQFP、48ピンのTQFP／VQFMを用意している。
PIC16F18146ファミリーは低コストのセンサーフュージョン向けMCU。最大32MHz動作のPIC16コアと、最大28Kバイトのフラッシュメモリー、最大2KバイトのSRAM、最大256バイトのEEPROM、最大17チャネル入力の演算機能付き12ビット差動式A-D変換器、8ビットD-A変換器、コンパレーター、ZCDなどを集積する（図5）。パッケージは20ピンのPDIP／SOIC／SSOP／VQFNなどを用意する。
