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 NTNは2022年4月28日、電動車両の駆動用モーターの高速回転化に寄与する深溝玉軸受を開発したと発表した。軸受の回転性能を示す指標であるdmn(ピッチ円直径dm×最高回転数n)が、油潤滑下で220万を達成した。軸受の回転性能を高めることで、モーターの小型化を後押しする。

NTNが新たに開発した深溝玉軸受
NTNが新たに開発した深溝玉軸受
(写真:NTN)
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 これまでの同社の最高値はdmn180万だった。さらなる高速回転化で課題になるのは発熱への対応だ。NTNは、潤滑油の供給量を調整することでdmn220万を実現した。軸受の回転で起こる発熱と抜熱を適切に管理する計算手法を新たに確立し、熱収支バランスを最適化したという。

 転動体や各軌道輪の回転精度も上げた。一方で、保持器と転動体が直接触れるポケット部分の形状は、15年に開発したものから「大きく変えていない」(NTNの担当者)。

 NTNが高速回転に対応する軸受の開発に注力するのは、加速する電気自動車(EV)の普及に伴う軸受需要の拡大に対応するためだ。「EVの航続距離を延長するには各部品の小型化が必要不可欠」(NTNの担当者)で、その実現にはモーターや減速機用の軸受の高速回転性能が重要である。モーターの出力は回転数とトルクの積で決まり、トルクはモーターのローター径の2乗やローターの長さに比例する。モーターの回転数を高めれば、出力を維持したままモーターを小型・軽量化できる。