日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が2022年5月10日に発表した同年4月の車名別新車販売台数(速報値、以下同じ)によると、登録車と軽自動車を合わせた総合順位で、ホンダの軽自動車「N-BOX」が4カ月連続で首位となった。車載半導体を含む部品不足の影響が続く中で、N-BOXは首位を守ったが、4月の販売台数は1万5450台にとどまり、3月に比べて1万台以上減った(図1)。
総合順位の2位はトヨタ自動車の小型ミニバン「ルーミー」、3位は同社の小型車「ヤリス」シリーズである。3月に2位だったヤリスシリーズは、4月は3位に順位を下げた。同車の4月の販売台数は1万45台であり、3月より7300台以上減少した。一方、3月に4位だったルーミーは、4月は2位に順位を上げたが、同車の4月の販売台数は3月に比べて5800台以上減った(図2)。
部品不足に対応するためトヨタは4~6月を「意志ある踊り場」と位置付け、サプライヤーの人員体制や設備能力なども勘案して、生産現場に大きな負担をかけない「現実的」な生産計画を作成した。
同計画に沿ってトヨタは、国内の全14工場(28ライン)のうち5工場の7ラインで、4月1~23日に断続的に生産を止めた。こうした生産調整が4月の販売台数に影響した。
軽自動車でも、部品不足による生産調整の影響が続く。総合順位で10位以内に入った5車種はすべて、前年同月比で販売台数を減らした。特に6位のスズキの「スペーシア」と8位のダイハツ工業の「ムーヴ」の落ち込みが大きかった。
また、3月に総合順位で6位だった日産自動車の「ルークス」は、4月の順位は10位以下(軽自動車だけの順位で9位)となった。同車の4月の販売台数は、3月に比べて8000台以上減った。
なお、22年4月の新車販売上位10車種は以下の通りである(カッコ内は前年同月比の増減率、※は軽自動車)。
2022年4月 | メーカー名 | 車種名 | 販売台数 |
---|---|---|---|
1位 | ホンダ | N-BOX | 1万5450台(-7.7%)※ |
2位 | トヨタ | ルーミー | 1万1108台(-8.7%) |
3位 | トヨタ | ヤリス | 1万45台(-49.7%) |
4位 | トヨタ | カローラ | 9906台(+24.2%) |
5位 | 日産 | ノート | 8114台(+42.1%) |
6位 | スズキ | スペーシア | 7600台(-29.6%)※ |
7位 | ダイハツ | タント | 7270台(-23.2%)※ |
8位 | ダイハツ | ムーヴ | 7116台(-27.0%)※ |
9位 | トヨタ | アルファード | 6699台(-11.6%) |
10位 | スズキ | ハスラー | 6690台(-2.1%)※ |