半導体製造装置大手の東京エレクトロンは2022年5月12日、製造拠点のある宮城県に半導体製造装置を開発する新棟を建設すると発表した(ニュースリリース、図)。次世代半導体の回路を形成するのに必要なパターニング技術や装置の開発を手掛ける。約470億円を投じて2023年春に着工し、2025年春ごろの竣工を予定する。
新開発棟では、半導体の回路の基になる溝や穴を形成するのに使う「プラズマエッチング装置」などを開発する。新しい技術や厳しいクリーン度に対応することで、半導体メーカーの要求に早期に応えられるようにする。次世代半導体では回路の集積度を上げて性能を高める「微細化」が進み、製造技術がますます高度になっている。増加を続ける半導体需要にも対応する狙いがある。
新棟は半導体工場と同じように、装置を開発する上層と補機類を設置する下層の2層構造になっている。これまで同じフロアに配置していたポンプや電源機器、薬液類を下層に移すことで、装置を取り扱うエリアにホコリや細かい粒子が入りにくくした。開発環境を半導体工場に近づけることで、顧客の多様なニーズを把握しやすくなると期待する。
東京エレクトロンの製造子会社である東京エレクトロン宮城(宮城県大和町)の本社工場の敷地内に建設する。地上3階建てで延べ床面積は約4万6000平方メートルになる。