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 米Efficient Power Conversion(EPC)は、実装面積が4.45mm×2.3mmと小さい+100V耐圧GaN FETを発売した ニュースリリース 。オン抵抗は2.2mΩ(最大値)であり、同じオン抵抗の同社従来品と比較すると実装面積を約26%縮小した。同じオン抵抗のSiパワーMOSFETと比べると実装面積を約1/3に削減できる。同社によると、「+100V耐圧のスイッチング素子では業界最小の実装面積」という。

実装面積が4.45mm×2.3mmと小さい+100V耐圧GaN FET
実装面積が4.45mm×2.3mmと小さい+100V耐圧GaN FET
(出所:Efficient Power Conversion)
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 新製品は、DC-DCコンバーター回路やブラシレス直流(BLDC)モーター駆動回路などに使える。DC-DCコンバーターの応用先はサーバーや通信機器など。BLDCモーター駆動回路の応用先は、電動バイクやロボット、ドローン、電動工具などである。

 同社は新製品を「エンハンスメントモードGaN(eGaN)パワーFET」と呼ぶ。型番は「EPC2071」。最大ドレイン電流は連続時に64A。「全ゲート電荷量(QG)は18nC(標準値)と小さく、逆回復電荷量(Qrr)はゼロであるため、スイッチング損失が少ない。従って、1MHzを超えるスイッチング周波数で駆動できる」(同社)。新製品は、ベアダイに保護膜を施し、22本のはんだバーを取り付けた状態で出荷する。動作温度範囲は−40〜+150℃。すでに量産出荷を始めている。1000個購入時の参考単価は3.81米ドルである。

 このほか、新製品を搭載したLLC共振型DC-DCコンバーターのリファレンスボード「EPC9174」を併せて発売した。入力電圧は+48Vで、出力電圧は+12V。最大出力電流は100Aである。サーバーや通信機器などで、中間バス電圧を生成する用途を想定している。スイッチング周波数は1MHz。最大変換効率は97.3%(550W出力時)。1.2kW出力のフル負荷時でも、変換効率は96.3%が得られる。外形寸法は22.9mm×58.4mm×10mm。いわゆる1/8ブリックサイズである。すでに販売を始めている。参考単価は498.00米ドルである。

新製品を搭載したリファレンスボード
新製品を搭載したリファレンスボード
LLC共振型DC-DCコンバーターのリファレンスボードである。新製品は、1次側のフルブリッジ回路に適用した。すなわち新製品を4個使用している。ボードの表面に2個、裏面に2個実装した。2次側の同期整流回路には+40V耐圧のGaN FET「EPC2066」を使った。(出所:Efficient Power Conversion)
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