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 フランスRenault Trucks(ルノートラック)は2022年5月6日、ラストワンマイルの配送向けに3種類の電動輸送ツールを1つにまとめたコンセプトカー「E-Tech Master OptiModale」を発表した。電気自動車(EV)の小型商用バンに、荷箱付き電動自転車(Eカーゴバイク)と英UAVTEK製のドローンを組み合わせた。

電動自転車の「eBullitt」とドローンを搭載したEV配送車
電動自転車の「eBullitt」とドローンを搭載したEV配送車
(写真:Renault Trucks)
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 3.5トンのEVバン、E-Tech Master OptiModaleは、商用車向け特殊架装を手掛ける英Horton Commercialsが製造した特別な荷台を搭載する。荷台の側面にはカーゴバイクの出し入れを補助するクレーン付きのEカーゴバイク収納棚があり、荷台の上面(屋根部分)にはドローン用の格納式ヘリポートを備える。EVバンは標準で33kWhの電池を搭載し、航続距離は最大80マイル(約129km)、用途によって52kWhの電池搭載も可能。

EVバンから電動カーゴバイクを降ろす
EVバンから電動カーゴバイクを降ろす
(写真:Renault Trucks)
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 Eカーゴバイクは最大100kgの荷物を積載できる。1回の充電で最大50kmまで電動アシスト走行が可能。電池は1時間で50%、2時間で80%まで充電でき、4時間でフル充電となる。ドローンの積載重量は2kgまで。ドローンの飛行地域は制限されているため都市部での配送には使えないが、田園・山岳地帯、水上や島しょ部などに荷物を運ぶ際は有効だ。

EVバンの屋根に設置されたドローン用ヘリポート
EVバンの屋根に設置されたドローン用ヘリポート
(写真:Renault Trucks)
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 E-Tech Master OptiModaleを使った配送業務は2人体制で、大型荷物の配送はバン、混雑しているラストワンマイルの配送は2人目がカーゴバイクで行う。さらにドローンは、クルマやバイクが入れない場所への配送が可能で、災害時の医薬品輸送などにも迅速に対応できる。なお、ルノートラックは2001年にスウェーデンのAB ボルボに買収され、現在はボルボのグループ企業となっている。