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 ジェイアール東日本企画(jeki)と野村総合研究所(NRI)は2022年5月18日、デジタル時代におけるメディアミックスに関する共同研究を実施、検証結果を公表した。「新時代はTV×Web×OOH(Out Of Home、交通広告や屋外広告など)の3つのメディアミックス展開が有用」とした。

 まずメディアミックスの実態について、NRIインサイトシグナル(広告主企業の広告活動の効果をオリジナルデータを用いて測定するNRIのサービス)が収集・蓄積する企業各社のメディアミックスの過去3年間における出稿パターンを分析した結果を報告した。約6割が2メディア、3割弱が3メディアへの出稿だった。2メディアは「TV×Web」、3メディアは「TV×Web×OOH」に集中していた。

 次に、2メディアと3メディアの広告効果の比較検証を行った。OOHについては代表的な交通広告でシミュレーションした。その結果、「TV×Webの2メディア」よりも、同じ予算内で「TV×Web×交通広告の3メディア」に出稿したほうがKPI(生活者全体の購入意向)の押し上げ効果は高く、その開きは1.12倍だった。

 いわゆるZ世代(この調査では20歳から26歳)をターゲットにしたシミュレーションでは、開きは1.30倍まで拡大した。3メディア展開は、特に若年層をターゲットにした際に有効に機能することが明らかになったとする。

 3メディアの予算配分による効果の比較検証も実施した。3億円の媒体予算でシミュレーションした結果、広告予算配分を「TV65%、Web20%、交通広告15%」にしたプランのKPIの押し上げ効果が最も高かった。Z世代をターゲットにした場合の最適予算配分は「TV40%、Web35%、交通広告25%」となり、若年層はWebと交通広告の配分を上げることでKPIの押し上げ効果が高まる傾向があるとした。

 こうした結果が得られる背景には、「3メディアが補完し合い、生活者のタイムラインをフルカバーしている」「3メディアの重複接触でクロスメディア効果が増幅している」「若者やイノベーティブな層に届く交通広告が効果を底上げしている」があると分析した。デジタルシフトおよび選択と集中の観点からメディアを絞り込んだ広告展開がみられるが、jekiは今回の検証結果から「ポスト/withコロナ時代のメディア戦略として、TV×Web×OOHによるトリプルペイドメディア戦略が有効」との考えを示した。

発報資料