住友重機械工業(以下、住友重工)は2022年5月18日、自動車の車体やフレームを軽量化できる独自の製造システム「STAF(Steel Tube Air Forming)」を、自動車の試作部品を開発、製造するトピア(三重・鈴鹿)へ外販すると発表した。住友重工が自社工場以外へ導入するのはこれが初めてとする。
STAFは、プレスとブローフォーミングを組み合わせたパイプの熱間エアーブロー成形技術である。パイプ材をプレス金型内で通電加熱し、高圧空気でブロー成形するのと同時に焼き入れすることによってパイプとフランジ(つば状の部品)を一体成形できる。
住友重工の担当者は「フランジ付きの連続異形閉断面を造れるのが一番の特長」と話す。一体成形することで、部材の強度を上げられ、衝突安全性が向上する。熱間プレスなどの方法とは異なり、部材点数が少ないので部品の軽量化も可能になる。
今回STAFを初採用したトピアの担当者は「STAFの技術に対して将来的な価値を感じた。試作部品を作る設備として有用」と語る。Aピラーなど主に自動車のボディーや骨格に使われる試作部品の開発で使用していくという。