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 米Intel(インテル)は、2022年5月10日と11日に米テキサス州で開催のプライベートイベント「Intel Vision 2022」において、モバイル(ノートPC)向けMPU(マイクロプロセッサー)のハイエンド製品ファミリー「第12世代インテルCore HX プロセッサー」を発表した ニュースリリース 。10日の基調講演に登壇した同社のMichelle Johnston Holthaus氏(executive vice president and general manager of the Client Computing Group)によれば、新製品は第12世代Coreプロセッサー(開発コード名:Alder Lake)の最後の製品ファミリーだという(図1)。

図1 新製品を紹介するIntelのMichelle Johnston Holthaus氏
図1 新製品を紹介するIntelのMichelle Johnston Holthaus氏
(出所:Intel Vision 2022の基調講演のビデオからキャプチャー)
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 これまでに、第12世代CoreのノートPC向け製品ファミリーは、性能の高い順に「Hシリーズ」、「Pシリーズ」、「Uシリーズ」が発表されている*。これらの3シリーズはいずれもMPU本体のダイとPCH(Platform Controller Hub)のダイの両方を1つのパッケージに収めていた。それに対して、今回のHXシリーズは、MPU本体だけをパッケージに収めており、デスクトップPC向け製品(Sシリーズ)と同じくPCHは外付けする。新製品はSシリーズのヒートスプレッダーを剥がし、パッケージを同じ面積のLGA(Land Grid Array)からBGA(Ball Grid Array)に切り替えたような構造を採る(図2)。なお、パッケージのボール数が異なるので、Sシリーズのダイがそのまま流用されているのではなさそうだ。

* 関連記事 Intel、ノートPC向け第12世代Coreを追加発表
図2 デスクトップ向け製品(左)に開発したダイを転用して新製品に(右)
図2 デスクトップ向け製品(左)に開発したダイを転用して新製品に(右)
(出所:Intel)
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 新製品のHXシリーズはHシリーズより性能が高く、ノートPC向け第12世代Coreの中ではハイエンド製品となる。クリエーター向けのモバイルワークステーションやハイエンドゲーミング用途を狙う。デスクトップ向けSシリーズと同じく、最大16コア(性能重視のPコアを8個、効率重視のEコアを8個)/24スレッドのMPUで、最大128GバイトのDRAM(ECC保護付き)を外付け可能である(図3)。PCIe Gen5 ×16のレーンを使って外部GPU(Graphics Processing Unit)を接続したり、最大4ポートのPCIe Gen4 ×4レーンを使ってNVMe形式のSSD(Solid State Drive)を接続したりできる。なお、デスクトップ向けSシリーズと同様に新製品のHXシリーズではGPUは外付けが基本とされているようである。このため、新製品が集積するGPUコアは、最大32EU(実行ユニット)構成であり、H/P/Uシリーズの最大96EU構成と比べると、大きく見劣りする。

図3 新製品の概要
図3 新製品の概要
(出所:Intel)
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 HXシリーズは7モデルからなる(図4)。全モデルにおいてベース消費電力は55W、ターボ動作時の最大消費電力は157Wである。なお、一部のモデルではCPUコア及びメモリーのオーバークロック動作が可能とする。すでにPCメーカーなどのOEMへ出荷を開始しており、10機種以上の製品が台湾ASUSTeK Computer(エイスーステック コンピューター)や米Dell Technologies(デル テクノロジーズ)、台湾GIGABYTE(ギガバイト)、米HP、中国Lenovo(レノボ)、台湾MSI(Micro-Star International)などから登場するという。推奨小売価格は「Core i5-12600HX」が284米ドル、「Core i9-12900HX」は606米ドルなど。

図4 新製品7モデルの主な仕様
図4 新製品7モデルの主な仕様
(出所:Intel)
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