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 全日本空輸(ANA)は2022年5月24日、スマートフォンを活用した空港での搭乗手続きなどのデジタル化を強化すると発表した。オンラインチェックインのシステムの刷新などにより、オンラインチェックインの利用率を旧システムの5割程度から9割程度まで引き上げることを目指す。新型コロナウイルス禍により非接触による搭乗手続きのニーズが拡大したことなどを踏まえ、空港での搭乗プロセスを見直すとともに関連する業務のデジタル変革(DX)も図る。

 新たなオンラインチェックインのシステムを4月26日に稼働させ、さらに2022年度末までに順次「ANA」アプリやスマホ向けサイトのユーザーインターフェース(UI)を改修する。一連の改修後はアプリの初期画面から最短2タップでオンラインチェックインが完了するほか、搭乗券の表示や座席の選択・変更画面へは同1タップで遷移できるようにする。

オンラインチェックインの新システムを導入した。UIの見直しと併せて、オンラインチェックインの利用率を9割まで引き上げる
オンラインチェックインの新システムを導入した。UIの見直しと併せて、オンラインチェックインの利用率を9割まで引き上げる
(出所:全日本空輸)
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 旧システム「SKiP」はオンラインチェックイン操作が不要で空港の保安検査場へ直接向かえることを特徴としていたが、「親子連れはSKiPを利用できない場合があるなど課題があり、利用率は5割程度にとどまっていた」(ANAの今田麻衣子CX戦略部戦略チームリーダー)。新システムでは親子連れなども含め幅広い乗客がオンラインチェックインを利用可能とするほか、UIの改修などの施策と併せて2023年度末にオンラインチェックインの利用率を8割、2026年度末に9割とすることを目指す。

 SKiPは2023年3月末に廃止し、国内線の空港に設置している自動チェックイン機も2023年度末までに全廃する。保安検査場や搭乗口で発行しているロール紙の搭乗案内も順次取りやめる。スマホが利用できない乗客などに対応するため、空港の有人カウンターは維持する。

 搭乗手続き以外でも、予約から目的地到着までの一連のプロセスに関連するサービスをANAアプリにまとめた。渡航書類の事前登録や機内食の事前予約などをANAアプリから可能にしたほか、出発時刻や搭乗口の変更案内、大幅な遅延や欠航時の振り替え便の案内などをANAアプリのプッシュ通知で表示するようにした。欠航などによる乗客への補償の案内も2023年度以降に実装する。外国人の乗客なども利用できるよう、プッシュ通知など一部の機能を除いてANAのWebサイトから同様の機能を利用できる。

 井上慎一社長は「大幅な遅延や欠航時、乗客は状況が分からず、コールセンターへの電話もつながらないといった状態になり不満につながっている。乗客に一番ご迷惑をおかけする部分をデジタルにして、乗客の負担をなくしていきたい」と狙いを語った。井上社長は併せて、今後の構想として「顧客の嗜好に合わせて空港内の売店で売っている商品をお薦めするなど、デジタルマーケティングへも展開していきたい」との意向を示した。

全日本空輸(ANA)の井上慎一社長
全日本空輸(ANA)の井上慎一社長
(撮影:日経クロステック)
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