デンソーは、航空機の装備品の米大手Honeywell International(ハネウェル)と共同で電動航空機向けモーターを新たに開発した。ドイツのスタートアップ(新興)企業Lilium(リリウム)が開発している電動の垂直離着陸(eVTOL)機に同モーターを採用する。eVTOL機は、従来の航空機に比べて自動車のように手軽に利用できる可能性があることから、「空飛ぶクルマ」とも呼ばれている。
今回のモーターの特徴は、航空機向けに軽量化かつ高出力にしたこと。約4kgで、出力は100kWと大きい。空冷対応で、冷却機構を簡素化できるという。
デンソーとハネウェルは電動航空機用推進システムの事業でアライアンス契約を締結し、21年5月に発表している。今回のモーターは、この締結以降で、初めて共同で開発した製品だとする。
リリウムは15年創業で、数あるeVTOL機の新興企業の中で知られた存在である。ハネウェルはリリウムに出資をしており、リリウムの機体向けに装備品や飛行制御システムの開発も行っている。