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 政府の規制改革推進会議は2022年5月27日、最終答申をまとめた。デジタル関連分野では、オンラインでの診療・服薬指導をさらに拡大する規制改革や、世界に比べて遅れていた司法や刑事手続きのIT化を盛り込んだ。

議長として会議で議論を取りまとめた夏野剛氏(近畿大学特別招聘教授情報学研究所長、KADOKAWA社長、左)と、牧島かれん規制改革相
議長として会議で議論を取りまとめた夏野剛氏(近畿大学特別招聘教授情報学研究所長、KADOKAWA社長、左)と、牧島かれん規制改革相
(撮影:日経クロステック)
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 規制改革を提言した項目数は300を超える。行政手続きでは、令状をデジタル化できるなど刑事手続きのIT化を検討するよう求めており、2023年度を視野に国会への法案提出を提言した。

 医療分野では、オンライン診療に一部残るアナログ規制の見直しのほか、コンビニエンスストアでの市販薬販売に伴うオンライン服薬指導に関する規制緩和などを盛り込んだ。後者については厚生労働省が後ろ向きだったが、最終答申には「2022年度に規制見直しの措置をする」と明記した。スマートフォンアプリなどのプログラム医療機器(SaMD)のうち、機械学習を用いるものはアップデート時の審査を省略または簡略できるよう提言し、2022年度中の結論を求めた。

 デジタルを活用した新規事業やベンチャー企業に対する支援では、法人設立の際に公証人が法人設立者らと対面手続きで定款を認証するという現行制度の負担軽減策を求めた。2022年度に実態を調査し、オンライン化も含めて2023年度に軽減策を検討。2024年度に措置を求めた。新たなシェアリング事業者が登場している近距離の物流サービスでは、軽自動車を利用可能にするほか、タクシーと物流を兼業できる貨客混載も2022年度中に結論を出すよう求めた。

 最終答申に盛り込まれた提言には、議論の経過では各省庁が改革の意思を見せなかったものもある。同会議で議長を務めた夏野剛氏(近畿大学特別招聘教授情報学研究所長、KADOKAWA社長)議長は会議後の会見で「答申に書き込んだ内容は、各省庁に改革を実現してもらう方向で詰めている。実際に実行されたかどうかは(会議の事務局による)フォローアップも行っていく」と話し、規制改革が進むことに期待を寄せた。