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 電気自動車(EV)、通称「Apple Car(アップルカー)」の開発の噂が絶えない米Apple(アップル)が考える車載インターフェースの姿が見えてきた。2022年6月6日(米国時間)、開発者会議「WWDC22」の基調講演で、iPhoneを車載機器と連携させる「CarPlay」機能の次世代版を明らかにした。インフォテインメントやクラスター(計器類)向けなど、車内にある複数のディスプレーにコンテンツを表示できるようになるほか、より多くの車載機能を制御可能になる。これにより、車内空間を「アップル色」に染めることで、統一感のあるユーザー体験(UX)を提供する狙いがある。

次世代「CarPlay」ではインフォテインメントやクラスター(計器類)向けなど、車内にある複数のディスプレーにコンテンツを表示できるようになる
次世代「CarPlay」ではインフォテインメントやクラスター(計器類)向けなど、車内にある複数のディスプレーにコンテンツを表示できるようになる
(写真:日経クロステック)
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 自動車事業に参入したソニーグループはかつて、インフォテインメントや計器類の表示といった車内空間のユーザー体験の向上に焦点を絞った開発やデモを実施し、そこから得られた知見を基に自動車事業参入を決めた。アップルも次世代CarPlayを足がかりにして、本格的な自動車事業への参入を判断する可能性が高い。

米国の新車のほぼ100%が対応

 アップルがCarPlayを発表したのは2014年3月。その後、対応する車載機器や車種が増えている。WWDC22の基調講演では、その浸透ぶりをアピールした。アップルによれば、米国の新車の98%がCarPlay対応だという。

 CarPlayを利用することで、同機能に対応したiPhoneアプリを、車載ディスプレー(情報機器)を通じて利用できる。自動車業界の表現で言う、いわゆる「持ち込み機器」との連携である。これまでは、「マップ」「電話」「ミュージック」「メッセージ」といった、いわゆるインフォテインメント系のアプリが中心だった。

 次世代CarPlayでは、車両データを利用して、速度や燃料の残量、気温などを計器類のディスプレーに表示できる。ユーザーは、さまざまな計器類のデザインを選択して、パーソナル化が可能だ。加えて、ウィジェットへの対応を拡大し、天気やミュージックなどの情報をクルマのダッシュボードで確認できるという。ラジオの制御や車内空調の調整もCarPlayを通じて実施できるようになる。こうした一連の機能は、次世代版CarPlayの一部であり、詳細に関しては今後明らかにしていく。

速度計や燃料の残量などを表示できる
速度計や燃料の残量などを表示できる
(写真:日経クロステック)
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予定や天候などのさまざまな情報を表示可能になる
予定や天候などのさまざまな情報を表示可能になる
(写真:日経クロステック)
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車内空調やラジオなどを制御できる
車内空調やラジオなどを制御できる
(写真:日経クロステック)
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 WWDCの基調講演では、次世代CarPlayに関する提携先としてドイツAudi(アウディ)や米Ford Motor(フォード)、日産自動車、ドイツPorsche(ポルシェ)など14ブランドのロゴをスライドに表示した。ただし、対応する車種については23年後半に発表する予定だ。前述のように、次世代CarPlayでは今まで以上に車両データを活用する。それだけに、自動車メーカーとの協議に時間を要しているのかもしれない。

次世代CarPlayに関する提携先
次世代CarPlayに関する提携先
(写真:日経クロステック)
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