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 射出成形や金型の設計・製造を手掛けるアイリス(群馬県太田市)は、射出成形後の加工なしでプラスチック製品の装飾性を高める成形法「加飾レス成形」を開発。技術展示会「付加価値ある意匠デザインを実現するものづくり技術2022」(主催:日経ものづくり、2022年6月9日)に出展した。

加飾レス成形品のサンプル
加飾レス成形品のサンプル
写真のサンプルはポリカーボネート(PC)とアクリル樹脂の2色成形品。大きな格子状の模様は表面の加工によるものだが、格子の中に見える細かな模様は2つの材料の界面での光の反射によって生み出されている。(写真:日経クロステック)
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 加飾レス成形は、2種の透明プラスチック材料を張り合わせたように2色成形したもの。屈折率の異なる2種の材料の界面に凹凸模様(内部模様面)を設けて成形すると、そこで光が屈折して、あたかも表面を加工したり処理したりしたような模様が光学的に浮かび上がる。界面の形状次第では、見る角度によって模様が変化するかのように仕立てることも可能だ。「塗装やめっきなしで射出成形だけで意匠性を持たせられる」(アイリス第一生産部部長の吉野賢輔氏)。製品への採用はこれからだが、既に自動車の内装材や化粧用品用として幾つかの商談が進んでいるという。

加飾レス成形の原理
加飾レス成形の原理
屈折率の異なる2種の透明プラスチック材料を2色成形する。界面に設けた凹凸によって光学的な模様が浮かび上がる。2020年には特許も取得した。(出所:アイリス)
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別の加飾レス成形品サンプル
別の加飾レス成形品サンプル
表面は裏表とも平滑なのに波のような模様が見える。(写真:日経クロステック)
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 もともと同社が得意とする2色成形技術を生かして開発した。界面がきれいに密着するよう成形条件やゲート仕様などを工夫したという。ポリカーボネート(PC)やアクリル樹脂の他、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルスチレン(AS)などが使え、「プラスチック材料の組み合わせによって見え方も変わってくる」(吉野氏)という。透明な材料同士に限らず、有色や半透明の材料と透明材料の組み合わせも可能だ。