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 キヤノンは2022年6月13日、販売済みの半導体露光装置の生産能力を高めるオプションを同年8月に発売すると発表した()。半導体ウエハーの搬送速度などを高めて、1時間当たりに処理できるウエハー枚数を3.4%増やす。AI(人工知能)を利用して駆動時の揺れを少なくして精度を維持できるという。半導体の需要増加を受けて、生産現場の生産性を高めたい半導体メーカーのニーズに応える。

図 新オプションは工場で稼動しているKrF露光装置「FPA-6300ES6a」に適用できる
図 新オプションは工場で稼動しているKrF露光装置「FPA-6300ES6a」に適用できる
(画像:キヤノン)
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キヤノンのプレスリリース KrF半導体露光装置「FPA-6300ES6a」オプション“Grade10”を発売

 今回発表した生産性向上オプション「Grade10」は、キヤノンが2012年に発売したKrF露光装置「FPA-6300ES6a」に適用するもの。露光ステージやウエハーの搬送機構の駆動を高速化して処理時間を短縮する。直径300mmのウエハーを処理する場合、露光ステージの制御時間を従来比で2.9%、ウエハー搬送機構の制御時間を6.7%、それぞれ短縮した。これまで1時間に290枚だった処理能力を、業界最高水準の毎時300枚に高められる。

 ステージ制御の高速化では、キヤノンとして初めてとなる「ニューラルネットワーク」を適用して振動を軽減し、精度を落とさないようにした。モーターなど複数のアクチュエーターの出力を変えながら、振動が最小になる条件を機械学習させていき、最適な駆動条件を求めた。最終的にアクチュエーターを制御するソフトウエアに条件を組み込むことで、高速な駆動と品質の維持を両立したという。

 Grade10は新たに装置を導入するケースのほか、工場で稼働済みの装置にも適用できる。2022年8月上旬から300mmの生産ラインに適用させ、2023年からは200mmの生産ラインへ対応させる。電気自動車(EV)の普及などで世界的にパワー半導体の需要が増えており、200mmの生産ラインでも需要が増加しているという。