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 米国ミシガン州に本拠を置く電気自動車(EV)用電池開発ベンチャーのOur Next Energy(ONE)は2022年6月14日、ドイツBMWグループと新型電池の実証試験を行うと発表した。ONEが開発した新しい電池システム「Gemini」を、BMWの電動SUV「iX」に組み込んで試験する。電池の試作品は22年末までに完成する予定。

BMWはベンチャーキャピタルのBMW i Venturesを通じてONEに出資している。
BMWはベンチャーキャピタルのBMW i Venturesを通じてONEに出資している。
(写真:ONE)
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 ONEは、電気自動車(EV)の航続距離を2倍にすることを目標に、新しい発想の電池システムを開発している。同社は最初の製品として、コバルト(Co)などを使用しないリン酸鉄リチウム(LFP)電池「Aries」を開発している。このLFP電池に、特性の異なる別の電池を組み合わせて電池システムを構成する計画だ。これを「Dual-Chemistry技術」と呼んでいる。

 LFPセルは、日常の走行に使う電力を供給するもので、「安全で耐久性が高い」ことを優先した。もう1つの電池セルは、より少ないスペースに多くのエネルギーを蓄えておくためのもので、ニッケル(Ni)とCoの使用量を最小限に抑えたマンガン(Mn)系Liイオン電池である。負極にはグラファイトを使わない。この2種類のセルを組み合わせることで航続距離を伸ばす。また、全体として従来のLiイオン電池よりLiの使用量が20%削減、グラファイト使用量は60%削減できるという。

安全性と耐久性の高いLFPセルと、エネルギー密度の高いMn系セルを組み合わせた電池システム
安全性と耐久性の高いLFPセルと、エネルギー密度の高いMn系セルを組み合わせた電池システム
(写真:ONE)
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 BMWはベンチャーキャピタルのBMW i Venturesを通じてONEに出資している。BMWは「経済的な実現可能性があれば、ONEの電池技術を将来のEVラインアップに組み込む戦略を検討するだろう」としている。