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 スウェーデンEricsson(エリクソン)は2022年6月7日(現地時間)、6Gの可能性を広げる周波数帯の候補について、独自の調査に基づいた提案を行った。メタバースなどのユースケースを実現するためには、大容量通信が可能な新たな周波数帯の確保が不可欠だとする。

(画像:Ericsson)
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関連ニュースリリース: Realizing the 6G vision - Why is spectrum fundamental?

 6G構想としては、各社がさまざまなユースケースを発表している。その中の一つである、現実空間と仮想空間を地続きにする取り組みでは、物理空間での感覚、行動、体験をプログラマブルなデジタル空間でも再現できるようになる。

6Gの時代には現実空間とサイバー空間が地続きになって自由に行き来できるようになる
6Gの時代には現実空間とサイバー空間が地続きになって自由に行き来できるようになる
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 こうした6Gの可能性を最大限に引き出すためには、大容量通信が可能なさらなる周波数帯を確保する必要がある。また、こうした6Gサービスを2030年ごろに実現するためには、今から周波数確保に向けた検討を開始する必要がある。

 大容量通信を可能にする広大な帯域幅は、周波数帯が高いほど確保が容易になるが、そうした周波数帯で十分なカバレッジを確保するのは難しい。そこで、比較的低い周波数帯でカバレッジを確保し、高周波数帯で広帯域幅を確保できれば、広いエリアや移動中の6G体験、メタバースやホログラフィックといったユースケースも実現可能となる。

 現在、5Gや5G-Advancedに向けては、次の周波数帯の活用が始まっている。

  • 600MHz帯や700MHz帯など1GHz未満の周波数帯:カバレッジ確保やデジタル格差の解消
  • 26G/28GHz帯や40GHz帯などのミリ波帯:通信が混雑する環境での大容量通信。企業など、高信頼性低遅延通信を必要とする場所での通信環境確保
  • 3.5GHz帯や4.5GHz帯、6GHz帯などの中周波数帯(ミッドバンド):大容量通信を必要とする広域ユースケース向け通信

 6Gとして新たに利用可能な周波数帯としては、主要周波数帯として7G~20GHz帯、補完する周波数としてサブテラヘルツ帯の92G~300GHz帯が考えられる。

5Gの周波数帯と6Gで利用可能な周波数帯
5Gの周波数帯と6Gで利用可能な周波数帯
(画像:Ericsson)
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 ITU-R(ITU Radiocommunication Sector、国際電気通信連合の無線通信部門)では、既に7G~20GHz帯の複数の領域を移動通信や固定通信用に割り当てている。他のサービスによって使用されている周波数帯との調整を慎重に行う必要があるが、まずは、7G~15GHzの有効活用を検討すべきだ。

ITU-Rの通信規則では、7G~20GHz帯の範囲に複数の移動通信、固定通信用周波数帯を割り当てている
ITU-Rの通信規則では、7G~20GHz帯の範囲に複数の移動通信、固定通信用周波数帯を割り当てている
(画像:Ericsson)
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 数テラビット/秒の高速低遅延な大容量通信を提供可能にする1THz未満の周波数帯については、カバレッジやモビリティーの面でいくつかの制限があり、7G~20GHz帯などの補完的な役割としての活用が望ましい。ITU-Rではこの領域にも、WバンドとDバンドという2つの周波数帯に、移動通信や固定通信用の周波数を割り当てている。これらの周波数帯は、6Gアクセス用のネットワークやフロントホール、バックホール用ネットワークとして使うことができると考えられる。

ITU Radio RegulationsによるWバンドとDバンドの割り当て状況
ITU Radio RegulationsによるWバンドとDバンドの割り当て状況
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 これらの周波数帯を6Gに向けてタイムリーに利用するためには、規制機関や研究機関、モバイル機器開発ベンダーやプロバイダーの協力が欠かせない。

 移動通信の業界団体3GPPは既に6Gの標準化に着手しており、2028年までに仕様としてまとめる予定である。ITU-Rでも2030年までの標準化を予定している。

 周波数の割り当てについては、ITU World Radiocommunication Conferences(ITU世界無線通信会議)での結果をもとに、各国規制機関が決定する。この会議も2023年と2027年の開催が予定されている。

3GPPやITU-Rによる6Gの標準化と周波数割り当て会議(WRC)のスケジュール
3GPPやITU-Rによる6Gの標準化と周波数割り当て会議(WRC)のスケジュール
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 Ericssonでは、6G開発に向けた先駆者的役割を果たすとともに、さまざまなサービスに向けてバランスのとれた帯域リソースの割り当てに向けて、今後も規制当局への支援を続けていくという。