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 日本製鉄は、マツダと共同開発した軽量Bピラーがマツダの新型SUV(多目的スポーツ車)「CX-60」に採用されたと発表した()。加工技術の工夫によって従来の一体型Bピラーからレインフォース部品の省略が可能になるなど、従来比で34%の軽量化を実現している。

* 日本製鉄のニュースリリース: https://www.nipponsteel.com/news/20220622_100.html
図 マツダの新型SUV「CX-60」(左)と新開発のBピラー(右)
図 マツダの新型SUV「CX-60」(左)と新開発のBピラー(右)
(出所:左はマツダ、右は日本製鉄)
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 新開発のBピラーは、1.8GPa級と1.3GPa級のアルミニウム(Al)めっきホットスタンプ鋼板(AL-HS鋼板)を使用する。加工技術として、[1]新テーラードウェルドブランク(TWB)接合技術、[2]差厚パッチワーク技術、[3]直水冷高生産ホットスタンプ技術を適用して、量産化した。

 [1]のTWB接合技術は、板厚や材質の異なる鋼板をレーザー溶接して1枚の鋼板(ブランク材)にした上でプレス加工する技術。車体の強度や板厚の最適化による性能向上、軽量化、コスト低減が可能になる。一般にBピラーで適用する場合、上部へは客室空間を保護するために高強度材を、下部へは側面衝突時の必要性能を確保するために低強度材を用いる。

 日本製鉄は今回、従来に比べて継手強度を高めたTWB接合技術を開発し、九州製鉄所八幡地区(北九州市)で事業化した。従来、AL-HS鋼板をTWB技術で接合すると、溶接部にAlが混入してホットスタンプ後の継手強度が落ちる、異強度・異厚のTWBでは部品の焼き入れ性や寸法精度などの品質がバラつくといった課題があり、自動車車体への適用は難しかった。

 [2]は、主要骨格部品の稜線(りょうせん)部に補強材を接合し、その後にホットスタンプ実施する技術。衝突変形時の曲げ強度を高めるためのもの。従来は主要骨格部品へ補強部品を後付けしていたが、新技術によって金型と工程数を減らせた。

 新たなTWB接合技術と差厚パッチワーク技術の組み合わせにより、従来の一体型Bピラーからレインフォース部品を省略できた。衝突解析や多機能衝突試験に基づく板厚の最適化と合わせて、34%の軽量化と衝突安全性の向上を実現したという。