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 NTTの島田明社長は2022年6月24日、都内で就任会見を開き、「CX(Customer Experience)をEX(Employee Experience)で創造したい」と語り、社員の働き方改革によって、新たな顧客価値を生み出す考えを示した。NTTは同日、国内主要グループ会社の約5割の本社社員、約3万人規模を対象に2022年7月1日から、テレワークを原則とする勤務形態を導入することを正式発表した。国内18万人、全世界で30万人以上という巨大グループであるNTTは、島田氏のかじ取りによって壮大な働き方改革に挑む。

「再編を着実に実行し、成果を上げる」と意気込みを示したNTTの島田新社長
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「再編を着実に実行し、成果を上げる」と意気込みを示したNTTの島田新社長
(出所:NTT)

 「顧客の新たな体験を創造し、サービスの品質を絶えず改善していく会社にしていきたい」。島田氏は就任会見でこのように力を込めた。

 島田氏は、顧客価値を高めるために、社員がいきいきと働ける環境をつくることに力を入れるとした。その起爆剤としてこの7月から開始するのが、国内約3万人の社員を対象にしたテレワークを基本とする勤務形態だ。勤務場所を原則自宅とし、出社する場合は「出張」扱いとする。

 もっとも100%テレワークを目指すのではなく、ブレインストーミングなどアイデアを考える時は出社を推奨するなど、ハイブリッド型の働き方を目指す。「ハイブリッド型なので、決してコストが抑えられるとは考えていない。旅費がかかるため、場合によっては(会社による)持ち出しが増えるイメージもある」(島田氏)とした。

 前社長である澤田純氏は、NTTドコモとNTTコミュニケーションズ、NTTコムウェアの再編や、NTTデータとNTTリミテッドの統合など、大型再編を手掛けた。ただNTTデータとNTTリミテッドの統合は2022年10月であり、これから実際の再編作業に入る。島田氏は「再編を着実に実行し、成果を上げることに集中する」と語った。

 島田氏は自身の強みとして「グループのほとんどの会社に勤務したことがあり、海外勤務も2度経験したことがある点」を挙げた。特にNTT欧州法人にてロンドンに勤務した際、ゼロベースでビジネスを立ち上げ、1997年に東京・ロンドン間の回線を開通させた点が印象に残っているという。その後、北米勤務なども経験。海外で経験した合理的な労働スタイルが、今回のNTTが取り組む働き方改革にも生かされているようだ。

 島田氏に対して、前社長の澤田氏から社長交代の打診があったのは2021年12月末という。「とても重く受け止めた。この4年間、(澤田氏に)伴走してきたので、その意思を引き継いで経営に当たりたい。もう一度、グループのリソースを再構築し、それによって顧客に提供するサービスを高度化していく」と島田氏は力を込めた。