BIPROGY(旧日本ユニシス)は2022年6月24日、兵庫県尼崎市の全市民情報が入ったUSBメモリーの紛失に関して、記者会見を開いた。平岡昭良社長はUSBメモリーの紛失を巡って「緩みというか、慣れに起因しているのではないかと思っている」と話し、ベテランの作業や協力会社などとの関係を省みた。
BIPROGYは尼崎市から住民税非課税世帯などに対する臨時特別給付事務を受託している。同社の協力会社であるアイフロントの社員*が2022年6月21日、同市の市政情報センターでUSBメモリーに市民情報などをコピーして、大阪府吹田市内のコールセンターまで自身で運搬し、データの移管作業をした。
同作業完了後、当該社員はデータを消去しないまま正副2本のUSBメモリーを持ち出し、吹田市内の居酒屋で飲酒。その後、路上で寝込み、USBメモリーが入ったかばんを紛失した。
紛失したUSBメモリーについては、2022年6月24日午前11時40分ごろ、警察と一緒に捜索していた当該社員がかばんと共に発見。吹田市にあるマンションの敷地内で見つかったが、当該社員の自宅ではない。
USBメモリーについては、パスワード変更などの形跡はないが、紛失中に読み出されているかはUSBメモリーにそもそも記録する機能がないため不明だ。そのため情報漏洩に関して「断言できる状況ではない」(平岡社長)として、BIPROGYを中心にダークウェブなどの調査を継続する。
BIPROGY会見後に尼崎市の稲村和美市長も会見し、今回のUSBメモリー紛失に関して、外部有識者で構成する第三者委員会を設置する方針を示した。情報セキュリティーの専門家や弁護士など3人程度を想定する。稲村市長は「スピード感を持って検証を進めてもらう」と語った。