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 村田製作所は、X軸、Y軸、Z軸という全方位の磁界を検知できる異方性磁気抵抗(AMR:Anisotropic Magneto Resistive)センサーICを2製品発売した ニュースリリース 。これまでのAMRセンサーICは、X軸、Y軸、Z軸のいずれか1方向の磁界しか検知できなかった。同社によると「全方位検知が可能なAMRセンサーICの製品化は業界初」という(図1)。

図1 全方位の磁界を検知できるAMRセンサーIC
図1 全方位の磁界を検知できるAMRセンサーIC
外形寸法が1.45mm×1.45mm×0.55mmの3端子パッケージに封止する(出所:村田製作所)
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 新製品の応用先は、スマートメーターの不正防止機能や、磁気式メーター、防犯機器、IoT機器などである。「現在、スマートメーターに強力な磁石を近づけてメーター機能を停止させる不正行為が問題視されている。新製品を使えば、あらゆる方向からの磁界を1個のICで検出できるようになる」(同社)。従来、AMRセンサーICやホール効果センサーICを使用する場合は、3個のICを用意し、X軸とY軸、Z軸の磁界をそれぞれ検出する必要があった。新製品を使えば、1個のICで済むため、小型化と部品コストを削減できる。

 新製品において、全方位の磁界検知が可能にした工夫は以下のように2つある。1つ目は、X軸とY軸の磁界を検出するために、AMR素子の形状を変更したこと。「従来は、ジグザグパターンのAMR素子を4個作り込み、これらでブリッジ回路を組んで1方向の磁界を検知していた。今回の新製品ではジグザグパターンを渦巻きパターンに変更することでX軸とY軸の磁界検知を可能にした」(同社)。

 2つ目の工夫は、Z軸の磁界を検知するためにAMR素子の近くに金属膜を追加したこと。Z軸の磁界が印加されると、金属膜が磁化されて新たに磁界が発生する。これを、前述の渦巻きパターンのAMR素子で検知することでZ軸の磁界検知を可能にした。

 発売した2製品の型番は、「MRMS591P」と「MRMS581P」。2製品の違いは、電源電圧範囲や、動作磁界、平均消費電流などにある(図2)。前者の平均消費電流は7.0μAなのに対して、後者のそれは0.3μAと大きく異なるのは、間欠動作の周波数の違いによる。MRMS591Pは15Hz(最小値)で、MRMS581Pは5Hz(最小値)である。2製品どちらも、量産を開始している。価格は明らかにしていない。

図2 新製品の主な仕様
図2 新製品の主な仕様
(出所:村田製作所)
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