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 STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス、以下、ST)は2022年6月、既に出荷済みのdToF(direct Time of Flight)測距センサー「VL53L8」に米Metalenzのメタサーフェス光学素子を採用したことを明らかにした(図1)。STによれば、民生機器向け製品でメタサーフェス光学素子が採用されたのは世界初だという。STとMetalenzは2021年6月にメタサーフェス光学素子の共同開発とライセンシングで合意したことを公表している。今回の素子はこのパートナーシップを通じて開発された。

図1 VL53L8に搭載された米Metalenzのメタサーフェス光学素子のイメージ
図1 VL53L8に搭載された米Metalenzのメタサーフェス光学素子のイメージ
(写真:STMicroelectronics)
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 Metalenzのメタサーフェス光学素子は、均一な高さを持つ、波長以下の構造体が多数並んだものになっている。この構造体群が光の導波路として働き、屈折をつくり出すことでレンズとして働く。この光学素子は半導体の製造プロセスを使ってシリコンウエハー上に形成するため、MEMSやCMOSのイメージセンサーを製造しているファウンドリーであれば製造できるという(図2)。

図2 半導体の製造プロセスで製造できるMetalenzのメタサーフェス光学素子
図2 半導体の製造プロセスで製造できるMetalenzのメタサーフェス光学素子
(画像:Metalenz)
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 メタサーフェース光学素子は平面であり、複数のレンズを使用するような光の経路制御も1枚の素子で実現できるため、従来のレンズのような厚みがない。また、半導体プロセスで製造するため、大量生産時や製品の精度のばらつきを極小化できる。

 VL53L8に搭載されるメタサーフェス光学素子は、STの前工程工場において製造されているという。