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 ユニバーサルロボット(東京・港)は、同社の協働ロボットをトヨタ自動車北海道(北海道苫小牧市)が採用したと発表した。自動車の差動歯車部品(デフサイドギア)のワークを加工機に投入する作業などに協働ロボットを活用する。投入作業の自動化により、同工程の稼働率は92%から98%へ向上した。

図 デフサイドギアの粗材を加工機に投入する「UR5e」
図 デフサイドギアの粗材を加工機に投入する「UR5e」
(出所:ユニバーサルロボット)
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 加工機への投入システムの特徴の1つは、ワークを認識して把持する際にカメラを使わずに、ロボットが内蔵しているフォーストルクセンサー(力覚センサー)を用いた点にある。ロボットハンドを下降させ、ワークに当たったところでピックアップする仕組みとした。カメラを使うのに比べてシンプルなシステム構成にできたという。グリッパーはデンマークOnRobot(オンロボット)製の「RG2」「同6」で、ユニバーサルロボットの周辺機器製品群「UR+」のインターフェースに対応するため、フォーストルクセンサーと同じくロボットのティーチングペンダントでプログラミングできる。

 従来は1つの加工機に1台のフィーダーが必要だったのに対して、ロボットは1台で2つの加工機にワークを供給できるため、設備のスペースや費用を抑えられる。ワークの形状が変わっても、ロボットならプログラムを設定し直すだけでフィーダーの設定を変える必要がない。

 従来は、10個以上のワークを串刺しにしてフィーダーにセットすると、ワークの自重でフィーダーから加工機へと転がって投入される仕組みだった。作業者は、2~3kgの串を持ち上げて横倒しにしてからフィーダーにセットしなければならない上、ワークが傷つかないように注意を払う必要があり、作業の大きな負担になっていたという。加えて、ワークに油や異物が付着しているとフィーダーから加工機へうまく流れない不具合も発生していた。

 そこでトヨタ自動車北海道は、同工程の自動化を検討。ユニバーサルロボットの代理店である豊田油気(愛知県豊田市)と協力して、協働ロボット「UR5e」を活用する投入システムを開発した。システムの開発に当たっては、黒光りする部品をいかに正確にピックアップするか、どうやって所定のサイクルタイム内に収めるかといった点に苦労したものの、豊田油気が前述のピックアップ手法を考案し、解決できたという。

 同工程の稼働率がロボットの導入で98%に向上したことから、トヨタ自動車北海道は追加で協働ロボットの採用を決定。既に4台のロボットを導入し、ワークの投入に加えて搬送工程でも使っている。今後、さらに5台のロボットを追加導入する準備も進めているという。