NECファシリティーズ(東京・港)は、中国・四国地方の製造業を対象に、工場の電気設備の保安管理とリニューアルを代行するサービスの提供を開始した。これまで同社が施設管理を受託する工場にのみ提供していたサービスを、受託外の工場にも展開する。まずは中国・四国地方から始めるが、いずれ全国へ対象地域を拡大させる計画だ。
* NECファシリティーズのニュースリリース: https://www.necf.jp/information/press/20220629.html同サービスは、電気設備に関する設備保全の計画立案から保安管理、リニューアルまでをワンストップで代行する。まず、電気主任技術者や電気工事施工管理技士などの有資格者を中心とする同社の電気技術者が、工場にある受変電設備や配電設備、発電機といった電気設備に対して、保護リレー機能試験や活線下絶縁診断、熱画像による診断などを実施。ユーザー側の電気主任技術者と相談しながら、保安点検のスケジュールや各設備の点検作業の仕様を策定する。
点検・メンテナンスの際は、実施結果の報告だけでなく、設備の改善や安全上の改善などのアドバイスも可能。点検後には、点検結果から設備の劣化状況を判断し、その後の保守・メンテナンスやユーザーの予算・設備環境を考慮した仕様で設備のリニューアル計画を立案する。
点検の仕様を検討する際は、工場の操業への影響を抑えるよう配慮する。具体的には、同社が半導体工場で培ったノウハウを基に、予備の電気設備を準備・構築するなどの対策を取って設備点検時の停電・停止時間を縮める方法や、通電状態のまま実施できる点検方法を提案する。
一般に工場では、電気主任技術者が中心となり、電気事業法で定められた電気設備の日常点検や定期的なメンテナンス・修繕、リニューアルなどの計画を立案・実行する。しかし近年は、工場の施設管理担当者の高齢化や人材確保の難しさから、これらの業務を十分に実施できないケースが増えている。また、電気設備点検は設備を停止して実施する場合が多く、特に24時間・365日稼働させる操業形態の工場では、この稼働停止時間が大きな損失につながっていたという。
同社は、こうした課題の解決を新サービスで支援する。2022年度は10社での採用を目標にビジネスの拡大を図る。