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 楽天モバイルと東京電力パワーグリッド(東電PG)は2022年7月1日、携帯電話基地局の建設事業を担う共同出資会社を設立し、同日から営業を開始したと発表した。東電PGが持つ電柱や配電地上機器などの送配電設備、その他の公共アセットを基地局設置場所として活用し、楽天モバイルのエリア拡大を加速する考えだ。

楽天モバイルと東電PGが共同出資会社「楽天モバイルインフラソリューション」を設立
楽天モバイルと東電PGが共同出資会社「楽天モバイルインフラソリューション」を設立
(画像:楽天モバイル)
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 新会社名は「楽天モバイルインフラソリューション」。設立は2022年5月31日、資本金は3億円で、楽天モバイルが51%、東電PGが49%出資した。新会社の社長には、楽天モバイル代表取締役社長の矢澤俊介氏が就いた。

 新会社は、東電PGが持つ送配電設備や消火栓標識などの公共アセットを基地局設置場所として使い、楽天モバイルの基地局設置仕様の開発や、設置工事管理を担う。

 楽天モバイルは2022年2月、当初の計画から4年前倒しで、自社の4Gネットワークの人口カバー率が96%に達したと発表した。ただしNTTドコモやKDDI、ソフトバンクの4Gネットワークは人口カバー率99%に達しており、楽天モバイルが大手3社に追いつくためには、さらなるエリアの拡充が求められている。新会社は、電力会社が持つアセットを活用することでエリア展開を強化する狙いだ。

 主に首都圏エリアで電力の送配電を担う東電PGは、管内に基地局の設置場所として活用できる送配電用アセットを膨大に持つ。例えば送電鉄塔は約5万本、電柱は約600万本、そして無電柱化エリアの配電設備として設置する配電地上機器は約5万カ所もある。

東電PGは配電地上機器を活用した設備共用(インフラシェアリング)にも取り組む
東電PGは配電地上機器を活用した設備共用(インフラシェアリング)にも取り組む
(写真:日経クロステック)
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 東電PGはここ数年、複数の携帯電話事業者で基地局の設置場所を共用するインフラシェアリング(設備共用)にも力を入れてきた。今回の楽天モバイルとの共同出資会社は、あくまで楽天モバイルのネットワーク展開を目的とした会社であり、設備共用の取り組みとは別口という。「他の携帯電話事業者から当社のアセットを利用したいという要望があれば、もちろん貸し出す」(東電PG)という。東電PGのアセットが楽天モバイル専用になることはない。

 楽天モバイルは、東電PG管内以外で他の電力会社とタッグを組み、同様の取り組みを進めることも検討しているという。