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 村田製作所は、トンネル磁気抵抗(TMR:Tunnel Magneto Resistance)効果を利用する電流センサーIC(図1)を発売した ニュースリリース 。同社がTMR電流センサーICを製品化するのは今回が初めて。応用先は、太陽光発電インバーター装置のほか、サーバー用電源タップ(PDU:Power Distribution Unit)や、無停電電源装置(UPS)、電気自動車(EV)向け充電ステーション、インバーター搭載の家電機器、電動工具などである。

図1 太陽光発電インバーター装置などに向けたTMR電流センサーIC
図1 太陽光発電インバーター装置などに向けたTMR電流センサーIC
(出所:村田製作所)
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 新製品は、上述した装置や機器のインバーターやDC-DCコンバーターなどにおいて、その制御に必要な電流情報を取得するために使う。特徴は、測定誤差(総合誤差)が小さいこと。同社によると「業界最小クラス」という。具体的には、測定誤差は−40〜+105℃の全使用温度範囲にわたって1.0%FS(Full Scale)と小さい。測定誤差が小さいため、一般的な電流センサーICの高精度測定に必要な磁気コアを外付けしないで済む。これにより、電力変換回路の外形寸法や実装面積を削減できるとする。

 新製品の名称は「MRDシリーズ」。応答時間は0.5μs(標準値)。測定できる電流の周波数帯域幅は1MHz(デフォルト値)。今回、8製品を用意した(図2)。8製品は、検知可能な磁界の向き(図2では出力特性)や測定可能な電流範囲、電源電圧範囲が異なる。パッケージは8製品いずれも外形寸法が10.21mm×10.31mm×2.8mmのSOICW16である。すでに量産出荷を始めている。価格は明らかにしていない。

図2 発売した8製品の主な仕様
図2 発売した8製品の主な仕様
(出所:村田製作所)
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