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 ドイツTRATON GROUP(トレイトン)とドイツDaimler Truck(ダイムラー・トラック)、スウェーデンVolvo Group(ABボルボ)は2022年7月8日、欧州で大型トラックおよびバス向けの充電インフラを設置、管理する合弁会社「CV Charging Europe」を設立すると発表した。3社は新会社に5億ユーロ(693億円、1ユーロ=138.7円換算)を投資する。これは、欧州の大型トラック業界で最大の充電インフラ投資になるとみられる。

左からダイムラー・トラックCEOのMartin Daum氏、トレイトンCEOのChristian Levin氏、ABボルボCEOのMartin Lundstedt氏。
左からダイムラー・トラックCEOのMartin Daum氏、トレイトンCEOのChristian Levin氏、ABボルボCEOのMartin Lundstedt氏。
(写真:TRATON GROUP)
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 3社が同率出資する新会社は、オランダのアムステルダムを本拠地とし、エネルギーおよび充電業界で幅広い経験を持つAnja van Niersen氏がCEOとして率いる。同氏は、直近では欧州の大手電気自動車(EV)充電ネットワークプロバイダーのCEOを務めていた。

 新会社は輸送業者のニーズに焦点を当て、ユーザー目線のアプローチで高性能充電ステーションを設置する。具体的には設立から5年以内に、欧州の高速道路沿いや物流拠点に、1700基のグリーエネルギーを利用した大型商用車向け充電器を設置、運用する。設置する充電ステーションは、3社以外の車両も利用できる。充電ポイントは、追加のパートナーを探すことでさらに増やすという。

 欧州自動車工業会(ACEA)の調査によると、欧州では気候中立を目指して。25年までに1万5000カ所の長距離トラック輸送向け充電ポイントの設置が求められている。新会社は、必要な充電網の拡大と再生可能エネルギーに投資するため、他の業界関係者や政府、政策立案者に行動を呼びかけるものでもあるという。