ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)は2022年7月22日(現地時間)、同社社長のHerbert Diess(ヘルベルト・ディース)氏が同年9月1日付で退任すると発表した。後任には、傘下ブランドのドイツPorsche(ポルシェ)で社長を務めるOliver Blume(オリバー・ブルーメ)氏が就く。ディース氏は2025年まで任期を残していた。
VWは退任理由を明らかにしていないが、ディース氏はこれまで同社の監査役会や労働組合との対立を巡り、進退について度々報じられてきた。電気自動車(EV)への莫大な投資によって、VWグループの電動化戦略を急速に推し進めてきた同氏だが、従業員からの反発は少なくなかったとされる。2020年にVWブランドのCEO(最高経営責任者)から、2021年には同社の中国事業の責任者からも外れ、権限は弱まりつつあった。
ディース氏はドイツBosch(ボッシュ)、同BMWなどを経て、2015年にVWに入社。2018年から同社の社長を務めていた。2015年に発覚したディーゼルエンジンの排出ガス不正、いわゆる「ディーゼルゲート事件」からの立て直しを図り、VWグループのEVシフトやソフトウエア戦略を指揮してきた。