DMG森精機は2022年8月4日、2023年4月に新卒初任給を引き上げると発表した(表)。新卒初任給の大幅な改定は2019年以来4年ぶり。たとえば博士課程卒では、初任給が2022年4月の36万3490円から47万5000円へ約30%上がり、初任年収は682万5000円になる見込みだ。これにより高度な人材を確保し、「激動する外部環境に適切に対応できる企業として成長を続ける」(DMG森精機)としている。
* DMG森精機のニュースリリース: https://www.dmgmori.co.jp/corporate/news/pdf/20220804_startingsalary.pdf同社は、日本やドイツ、米国、イタリア、ポーランド、中国など43カ国に拠点を持ち、さまざまな言語・国籍・性別・専門分野を持つ約1万2000人の社員が在籍する。世界中のあらゆる地域・業種・規模の顧客に対して最適なソリューションを提供するために、社員に求められるスキルや知識は一層高度化しているという。こうした背景から同社は、月給や賞与単位ではなく年収ベースで世界各国と比較して給与の適正化を推進。給与改定を実施するとともに、日本では初任給と年収を「国際標準の賃金水準」(同社)に改定する。
博士課程卒以外では、修士卒が28万5250円から31万円へ、大学(学部)・高等専門学校専科卒が27万2210円から30万円へ、初任給を増額する。高等専門学校本科・短期大学卒と高等学校卒については、既に2022年4月の給与改定で、それぞれ21万3530円から25万5910円、18万4190円から23万9610円へ初任給を上げていたが、今回さらに29万円と28万円へ引き上げる。新卒以外の従業員については、新卒初任給の水準に合わせて2022年7月に改定済みとする。
同社は、2021年1月に健康経営を宣言。労働時間と在社時間の厳格な管理や、勤務間インターバルの確保、全社員における年間有給休暇20日の完全取得の推進など、社員の働き方改革や生産性向上などに取り組んできた。同社が顧客に提案・提供している工程集約・自動化・デジタル化の取り組みを社内でも加速させ、さらなる生産性向上を目指すとしている。