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 ルネサス エレクトロニクスは、Armコアベースの64ビットMPU(マイクロプロセッサー)の新製品「RZ/A3UL」の量産を始めた、と2022年8月4日に発表した ニュースリリース 。新製品はRTOS(リアルタイムOS)対応で高速起動を特徴とするMPU「RZ/Aシリーズ」の第3世代品の第1弾である。今回のMPUを搭載した電子機器は、電源投入後1秒未満で起動するという(図1)。

図1 新製品のMPU「RZ/A3UL」の応用イメージ
図1 新製品のMPU「RZ/A3UL」の応用イメージ
(出所:ルネサス エレクトロニクス)
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 RZ/Aシリーズの既存製品ではCPUコアは32ビットの「Arm Cortex-A9」だったが、今回は64ビットの「Cortex-A55」を採用した(図2)。Cortex-A55の最大動作周波数は1GHzと高い。Cortex-A9の最大400MHzから2倍以上に引き上げられた。一方で、メモリー容量は128KバイトSRAM(ECC付き)とコンパクトになった。Octal-SPIインターフェースやDDR3L/DDR4インターフェースを経由して、フラッシュメモリーやDRAMなどを外付けできる。

図2 RZ/Aシリーズ製品の主な仕様
図2 RZ/Aシリーズ製品の主な仕様
今回の新製品は右端の「RZ/A3UL」で、赤枠で囲われている(出所:ルネサス エレクトロニクス)
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 ルネサスは新製品のRZ/A3ULをエントリーレベルのMPUと位置付けており、産業機器や家電、OA機器の液晶ディスプレーや操作パネル、音響機器やPOS端末などをターゲットとする。RZ/A3ULは、同じCPUコア(Cortex-A55)集積のMPU「RZ/G2UL」*1およびRISC-Vコア集積のMPU「RZ/Five」*2との間で周辺機能やパッケージに互換性がある(図3)。同じ基板設計を利用し、チップを置き換えるだけで、異なる機能の機器への展開が可能だという。例えば、Linux搭載のRZ/G2ULやRZ/FiveをRTOS搭載のRZ/A3ULに置き換えることで、機器のモデル展開を容易に行えるとする。

図3 既存のRZファミリMPU製品と互換性がある
図3 既存のRZファミリMPU製品と互換性がある
(出所:ルネサス エレクトロニクス)
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 RZ/A3ULはRTOSとしては、FreeRTOSとAzure RTOSをサポートしている。ルネサスはRZファミリ向けのAzure RTOSのライセンスプロバイダーであり、新製品のユーザーはAzure RTOSをGitHubからダウンロードするだけで容易に利用できるとする。また、同社はFreeRTOSとHALドライバーを含むソフトウエアパッケージをレファレンスとして提供するという。

 新製品のパッケージは361ボールのPBGA。評価ボード「RZ/A3UL EVK」は、新製品搭載のSMARC v2.1対応モジュールボード、およびキャリアボードからなる(図4)。

図4 評価ボード「RZ/A3UL EVK」
図4 評価ボード「RZ/A3UL EVK」
(出所:ルネサス エレクトロニクス)
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