米Micron Technology(マイクロン テクノロジー)は、232層の3次元NANDフラッシュメモリー(図)の量産を始めたと、2022年7月26日(現地時間)に発表した ニュースリリース 。同社によれば232層の3次元NANDフラッシュメモリーの量産は世界で初めてである。新製品は、クライアントからクラウドまで幅広い用途を狙う。
新製品のI/O速度は2.4Gバイト/秒と高い。AI(人工知能)や機械学習、非構造化データベース、リアルタイム分析、クラウドコンピューティングで要求される、低レイテンシーと高スループットが得られるとする。既存の176層品*に比べて、新製品のデータ転送速度は最大で50%高いという。新製品のダイ当たりの書き込みバンド幅は176層品より100%、ダイ当たりの読み出しバンド幅は75%、それぞれ広いとのことである。
新製品のメモリーセルはTLC(Triple Level Cell)で、ダイ当たりのプレーン数は6である。同社によれば、TLCのNANDフラッシュメモリーとして、ダイ当たりのプレーン数6は最大という。プレーンごとに独立しての読み取り可能である。このため、読み出しコマンドと書き込みコマンドの衝突を最小限に抑えられるとする。
さらに新製品では、NV-LPDDR4インターフェースを初めて採用した。従来製品と比較して、転送ビット当たりの消費電力を30%削減できるという。なお、NV-LPDDR4は従来のインターフェースと下位互換性があり、従来のメモリーコントローラーが利用可能である。従来品より28%小さい11.5mm×13.5mmの新パッケージに封止し、面積当たりのメモリー容量密度は14.6Gビット/mm2に達する。これは市場にあるTLCのNANDフラッシュメモリーに比べて35~100%高いという。
新製品の232層NANDフラッシュメモリーは現在、同社のシンガポール工場で量産中である。チップ単体、同社のクライアント向けSSD「Crucial」製品として出荷されているという。本フラッシュメモリーを搭載したそのほかの製品は今後発表予定である。